安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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エア・マーシャル乗客を射殺
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〈 Thu, 08 Dec 2005 〉


●エア・マーシャル初めての発砲事件
マーシャルといえば西部劇にでてくる連邦保安官、町が雇うシェリフより格が高い。バンバン撃ち合う2級西部劇がわたし大好きですが、現代版エア・マーシャル(連邦航空保安官)が発砲する事件がおこった。

状況が西部劇映画のように白黒はっきりしたテロリストや、乗っ取り犯なら『マーシャルよくやった』となるのでしょうが、7日マイアミ空港での事件は発砲が正当であったか、疑問が残る。ちょうどロンドン地下鉄でブラジルの青年がテロリストに間違われて警官にめった撃ちに殺された事件を思い出す。ロンドン警視庁は最初正確な情報を公表せず、なかなか非を認めなかった。

●精神異常者の悲劇
この事件も航空保安官の行き過ぎがあったのではないか、ヒューマンな対処ができなかった疑問が残る。発砲された男はアメリカ国籍、ロベルト・アルピザル、44歳。コロンビアからオーランドへ飛ぶAA機がマイアミに経由して乗客が乗り換えを終わり、飛び立つ直前にJetway(ターミナルから飛行機ドアまでのジャバラの通路)でおこった。もう人だかりがないときである。

乗客の話によると男は機内で通路を腕を振って歩き回っていた。奥さんとおもわれる女性がこの人は精神不安定で、鎮静剤を飲んでいなかったので・・などと取りなしていた。バックパックに爆弾があると言い張る男に、エア・マーシャルが立ちはだかった。迷惑な乗客にとってビューティフルな光景である。ここまでは。

航空保安官は9.11以後、ブッシュが警備隊、税関、移民局、など関連組織を統合して2002年に巨大な「国土安全保障省」発足させ、その一環として、米の航空機には武器を携行する警備員が同乗するようになった。それがエア・マーシャル、連邦航空保安官である。制度始まって以来これが最初の発砲事件であり、すなわちテロ防止に実効のある証拠といえる。

男は保安官の指示に従わず、機内から逃げてジェットウェイに出た。追ってきた保安官は男がバックパックを探ろうとしたところで、発砲したという。また保安官に向かってきたともいうがこれは警察の常句。保安官の行動はマニュアルに忠実であっただろう。2〜3発というのも以上ではない。そのことは疑わないが、男の様子から危険性のあるなし、また爆発物の信憑性を見抜けなかったのか。

米機に搭乗する際は、入念な手荷物検査をおこない靴をぬいだりベルトを外したり厳しいチェックを受ける。爆弾を口走ってウロツクおかしな男のウソが哀れでならぬ。撃たれるとも知らないで・・・

ひとことご注進:冗談でナイフや銃を持っているなどと機内で話すとそれだけで到着したら国外退去になります。くれぐれも悪ふざけは禁物です。ある男がヒースローで「どこからきましたか」と尋ねられ、「シカゴ」、ついでに手荷物のバイオリンケースには機関銃が入っているとジョークした。悪質な言動で拘置所に一日入れられました。(了)



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