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「姉歯物件」
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〈 Sun, 27 Nov 2005 〉
● 珍しい名前「あねは」 「姉歯建築石器事務所」の社名が名字を冠したものと直感できなかった。珍しい苗字ですね。「あねはの松」、聞いたことがあるような気もする言葉が、伊勢物語の14にありました。 むかし、をのこ、みちの国にすずろに行きいたりけり。・・・ 栗原のあねはの松の人ならば都のつとにいざといはましを みちのく(奥羽地方)で都の色男が言い寄られる。宮城県の栗原市に姉歯という地名は現在ないようですが、仙台の近くに実在するらしい。奥羽の古い地名にはアイヌ語に漢字をあてたものが多いので、あねはの地名もそうだろう。だから意味は「姉さんのソッ歯」と何の関係もない、アイヌ語にあたればわかるはずだ。すべて喋った姉歯秀次建築士になお尋ねたいのそのこと。 では、鉄骨減らしの強度計算偽造にならって、本歌とりを一句: 建築のあねはの鉄の人ならば偽造のつとにいざといはましを 姉歯物件はどこまで発展するやら、既存のビル、マンションの耐震偽造を総点検すれば、まだまだあるでしょう。強度算定書と実際の建物をつきあわせて総点検すると、完全に満たしているマンションは珍しいのでは?『姉歯物件』とおなじ物件は全国いたるところにある。 ●耐震に完全はない だからあんまり詮索しないほうがいいのでは、と思うのです。安い物件だったのでしょう? 真に安全な基準を作るならM8直下型クラスの地震に耐えてほしいが、それは無い物ねだりです。それに地盤・基礎の強度によって上のハコがいくら丈夫でも倒れる。その場合には崩れずまっすぐに倒れるますよ。基準を満たしたからといって安心するのは幻想にすぎない。マンションの住民も近隣の住民も、いつ倒れてくるかと急に不安がるのはおかしい。落ち着いて補強方法を業者と相談してください。 神戸大震災で倒れたのは古い木造住宅や重い屋根の神社とビルで、70 年代以降の新しい耐震ビルの倒壊はなかった。決して全部が基準を満たしていると思えないが、新しいビルは立ち残った。姉歯建築の耐震偽造は許せないが、それでも手心はしてあって震度5を境にしている。古い民間マンションより強いだろう。(了)
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