安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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河川汚染、中露のホットライン
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〈 Fri, 25 Nov 2005 〉


● 飲料ボトルが売り切れたハバロフスク

ハバロフスクはすでに環境非常事態監視下にある。市民65万人と周辺の住民あわせて150万人の飲料/生活用水を確保する準備に入った。ロシアの報道をみると、どこかよそ事のようで、政府も市民も緊迫した様子がみられない。

飲料水ボトルは一般化していないので、置いてある数少ないショップは売り切れた。飲料水ボトルの買いだめで、ボトルが値上がりしている。ハルビンでは「災難は人々の絆を強める」という定理のとおり、水の取り合いや、売り手の値上はなかったが、まだ災難があらわれていないハバロフスクでは一儲けを企む平和があるということか。

ハバロフスクに達するのは中国は12月8日頃、ロシア側は11月30日から12月1日ごろと計算している。中国当局はハルビンをすぎると3本の支流が流れ込みロシアに達する頃は薄められるなどとトーンダウンに躍起、担当役人はどこの国でも災いを過小につくろう。

先日はベンゼン濃度が基準の30倍としていたが、100倍を超えたところがあると訂正した。人間のサガで悪いことは小出しにする。誰にも覚えがあることですから正義漢ぶるつもりはないが、そうやって塗糊しているうちに中国大陸の水質環境はポイント・オブ・ノーリターンに向かって毎日悪くなる。黄河、揚子江の汚れは悪名高い。

松花江汚染の刻々とした情報を中露が共有するため、ホットラインで両国の環境保護庁が結ばれた。ロシア側アムール側では氷に穴をあけてサンプルを取っているそうだ。ハバラフスク上水道の浄化装置はもちろんベンゼンを除去できないので,締めることになる。汚染水が通過してから浄化消毒して配水を再開するハルビンのお手本を参考にできるので、ロシア側に緊迫感がないのだろう。(了)



Pnorama Box制作委員会

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