安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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中国の環境汚染、ハルビン断水
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〈 Thu, 24 Nov 2005 〉


●ハルビン断水

中国吉林市の石油化学工場の爆発で下流にあるハルビン市が水道水汚染で4日のあいだ断水になった。爆発事故は13日、地方当局は事故を公表したがハルビン市と政府が認めたのは3日後の16日(水)。そして昨日22日になって「汚染により水道供給停止」を発表、断水だ。そりゃパニックになります。

で、ウォル・マートなどスーパーの棚から飲料水ボトルがなくなってから慌てた当局が、水源地にベンゼン汚染水が達するのは木曜日の朝なので、夕方遅くまで栓をあけた。市民は風呂やバケツに水道水をキープしてパニックはおさまったが、断水期間の4日もつか。持つわけないとおもうが、中国の一人当り使用水量は世界の最低レベルですからなんとかなるかも。すでに応急手当の井戸を1000ほど掘ったそうで、病院などに優先される。

しかし、当局が言うように汚染水は金曜中にハルビンを通過して土曜日はOKになるのか、そんなことサンプル調査でしか確かなことはいえないでしょう。ベンゼン汚染は許容域を30倍も超えている。この問題は想像よりはるかに大人的災害になります。ハルビンは市は人工400万の大都市である。水洗トイレの普及率は知りませんが、あっても使えない。

地勢図を一見すればパっとわかるように、汚染河川の松花江は吉林山脈に遮られて平地を北に流れ、大河となってロシアに入りアムール川とよばれる。しばらく中露国境を流れてハバロフスク市内を通過し、どんどん北上してサハリン北部に面するニコライエフスク-アムールという河口までざっと3000キロもある超長い川なのです。河口では薄められてゼロ値に近いだろうが、700km下流のハバロフスクは汚染を免れない。

●凍るハルビン

北京語が国際表記になる以前はベイジンはペキン、ハルビン(哈爾濱)はハルピンでした。伊藤博文が暗殺されたところ。どうでもいいことですが、父は前大戦時ハルピンにいた。戦争のことは寡黙だったが、街路や建物が整っていること、満州荒野に沈む夕日の美しさと、冬の凍てつく寒さについて「真冬になるとツバを吐くとがカチンと凍りになって土を打つ」、そんな話を小さいとき寝物語に聞いた。大人の言うことはウソかホントか判然としない。そのときはホントかなと半信半疑でしたが、当地ノルウェー北部では熱いコーヒでさえ地面に落ちるまでに氷塊になる。父の話はまんざらでウソでもなかった。

で、ハルビンはきっと寒いだろうと今日の気温をネットでみると最高気温が零下2度、夜は零下11度。ハルビン市の水道が止まったいま、水道管は凍るのではないか、自然解凍を待つなら春になりますが・・・。(了)



Pnorama Box制作委員会

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