安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


-------- ----------------------------------
トレビの泉、コイン泥棒
------------------------------------------
〈 Wed, 16 Nov 2005 〉


●♪三つのコイン♪

Three coins in a fountain,

Each one seeking happiness,

Thrown by three hopeful lovers         

Which one will the fountain bless?      

Coda: Make it mine, make it mine, make it mine.

これは50年代にヒットした同名映画音楽の一節目と、おしまいに唱い上げるコーダです。シナトラほか多種多様な歌手が録音しているスタンダード、もとは男性4人コーラスのフォー・エイカスが歌いました。このグループはダークダックスがお手本にしたグループのひとつ、覚えている人がいればうれしいな。

『ローマの休日』では再訪を願って肩越しににコインを泉に投げますが、『三つのコイン』では一つだけ恋が叶う。3人の誰が叶えられるか、わたしに、わたしに、と歌うのでありす。

オレなんの話しとるんやろ、いえね『「トレビの泉」から1500万盗む、清掃業の4人逮捕』という読売のニュースをみて、鼻歌にでたのでイントロに。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051115-00000217-yom-int&kz=int まず上のサイトをお読みくだされ。

●捕まった清掃会社の4人は18歳から50歳とハバがあり、さすがイタリアンですね、泥棒に世代はないのだ。温もりがある、妙に感心しました。夢を託すトレビの泉には毎週2000ユーロ(約15万6千円)の投げ銭があり、あがりは地域の教会や病院に慈善寄付される。それが目立って減ってきたので警察はアミをかけていた。

●少し,この話題を掘り下げてゆくと、泉のコイン泥棒は今に始まったことではないらしい。なかでも突出している通称ダルタニャンは語りぐさになっている。早朝、泉に入って適量を掬い上げていく白髪50歳のダルタニャン(写真の人物)は34年間これで生きてきた。トレビから放逐処分をうけたが、生活がかかっているからまたやる。Make it mine♪。周りのヤジにダルタニャンは皮だけの「ハラ切り」で抗議したという。日曜は慈善のため残して毎日34年間、おそれいりました。

これは2002年のことでその後、泉の周辺に監視モニターや、泉内の動きを捉えるセンサーが設置された。しかし今回のようにローマ市の清掃員では信用するわな。ローマの泉はトレビ以外にも数々あり、どれにもコインが沈んでいる。また泉の外側に落ちたコインはどうなるか、たいていは代わって拾い投げ入するだろう。

●ところが2003年、これを拾い集めて持ち帰ろうとしたおばさんが逮捕された。しかし判事は投げ捨てたコインには正当な持ち主がいないという理由で無罪にしたのです。泉に入ったコインは市の管理に帰するという。はて、我が国神社仏閣では初詣の折などお賽銭箱からそれたお札や硬貨がある。ふと疑問:あれを神主や坊主が箒でかき集める前に取れば、バチはともかくとして窃盗罪になるのだろうか。(了)



Pnorama Box制作委員会

ひとこと言いたいなんでも・掲示板へ
筆者へのmailはこちらまで
HOMEへ戻る