安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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プーチンの石油ガス重用人事
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〈 Tue, 15 Nov 2005 〉


●メドベージェフにお目付イワノフ

14(月)、プーチン露大統領は久しぶりに人事入れ替えをTVで発表した。次期大統領にプーチンの意を汲んだ腹心を据えるための人事であるが、それだけではない。石油エネルギー関係のトップを重用して、シベリア開発への意欲が現れている。側近のクレムリン長官メドベージェフ (Dmitry Medvedev)はロシア最大級のガス独占企業でパイプライン敷設をモノポリーにするガスプロム会長である。法科出身まだ40歳、閣僚ポスト『第一副首相』に任命された。これは栄転というのだろう、というのは首相から大統領への道順が最も妥当とされている。

それなら、鳴かず飛ばず現首相のミハイル・フラトコフは放逐されたかというと、なんのそのまま現職に留まっている。早計に完了しないのがプーチン流懐の深さなのでしょうか。

プーチンのKGB仲間であるイワノフ国防相は『副首相』兼務になった。この人事は不可解だが、KGB仲間をメドベージェフの側におき、現行のジューコフ副首相を牽制するセーフガードと言われれば納得がゆく。が、プーチンの思慮はへたに勘ぐらない方がよさそう、二人を競わせ能力審査するのかも、注視ですな。

クレムリン大統領府長官の後がまは、チュメニ油田地帯の州知事ソビャーニン  (Sergei Sobyanin)、やはり石油やさんです。経済畑出身であるフラトコフやジューコフは遠ざけられた。いまロシアで快進撃しているのは石油高騰でウハウハのエネルギー産業であり、成果の出ない経済改革ではない。現今のロシア経済閣僚がいなくてもよいほど羨ましい国なのだ。今年の経済成長6%これも14日に発表されたばかりである。

●シベリア共同開発で日本攻略

日本へやってくるプーチンは、シベリア開発の企業家や財界人を100人従えて乗り込んでくる。月曜の新人事はそのために間に合わせた部分もある。北方4島返還を主張せざるをえない日本側と、北方4島を含むシベリア共同開発を協議したいロシア側。日露会談はブッシュ牛肉訪問よりおもしろくなります。

ロシア大統領は憲法で三選を禁じられている。いまのところプーチンは憲法改正の動きを見せていないし、本人も2008年に出馬しないと何度も明言しているものの、それでも続けて欲しいと国民の要望があれば・・・考える。そういう手管だったとおもうが、国民の反応はもちろんない。あきらめたようだ。よかーった。(了)



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