安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


-------- ----------------------------------
胡錦濤バッキンガムへ、英中関係
------------------------------------------
〈 Wed, 09 Nov 2005 〉


●胡錦濤の英国公式訪問

一行がイギリスにやってきた。儀仗兵を閲兵し、白馬の隊列を先頭に女王陛下と馬車に相並び(対面は通訳)バッキンガム宮殿へ、後ろには延々とVIPの黒塗りが連なっている。胡錦濤は飛行機からアン王女の出迎えを受け、赤絨毯に降り、馬車から赤絨毯を踏んでバッキンガムに入った。中国の主席というのはなんですか、宮中晩餐まで土を踏まないなおもてなしを受ける人物なのですかね。馬車で宮殿への待遇はブッシュもコイズミも受けていませんよね。

江沢民の公式訪問(1999)では、やはりおなじ歓迎を受けたが、沿道のチベット亡命人や人権団体の抗議垂れ幕を警察が押収し、後に警察が謝罪した。今回はブレアが、言論の自由をデモ隊に約束したので、チベットの旗や英語、中国語の抗議文が馬車の中からたくさん見えただろう。イギリスの警護では心配なの

か、馬車の両側をずっと中国のSPが駆けていました。アハハ。

●チャールス皇太子とチベット

中国がチベットに侵攻、仏僧を逮捕し厳戒令を布告したのはチベット共産党書記だった若き日のHu Jintao(胡錦濤)である。亡命したダライ-ラマは英米で非常に人気がある。特にチャールス皇太子はダライ-ラマを信奉するあまり、江沢民との宮中晩餐会はスッポカしたほどです。今度も出たくないのでカミラさんとアメリカへ公式訪問、そのままエコ農場や、ミュージカル、英国国教会系の聖公会教会へでかけたり、バンケットが終わるのにあわせてちゃっかり帰国の途につきました。

●中国の金融と石油産業へ投資

英国は8年前に香港を返還。さらに上海租界に君臨したその昔、公園に『犬とチャイニーズ入るべからず』と看板を出していた大英帝国が、馬車でお迎えする時代になった。けっこうなことではあるが、いま中国の人権と環境破壊、民主主義の欠如は凄まじい。そうであっても中国ビジネスに背を向ける国はない。

イギリスの中国貿易は5倍の輸入超過であるが、中国への投資は欧州一であり、金融のHSBC銀行やスコットランド銀行、石油のBPやShellが開発からガソリンスタンドまで共同事業を開始した。

片や、中国も貿易摩擦を避けようと衣料問題ではEUと、昨日は米と交渉がまとまった。輸出増加の年度%を妥結したのであるが、EU,米のメーカー業者が喜んでいるところをみると中国は相当譲歩したとわかる。米では今年の前半期に昨年の50%増という怒濤のような押し寄せでしたが、来年は17%で妥結した。

エリザベス女王が晩餐のスピーチで率直に"China's growth brought difficult challenges"と、高貴の方は悪びれない。またブレア首相は中国への武器輸出禁止置を解くつもりはない。(了)



Pnorama Box制作委員会

ひとこと言いたいなんでも・掲示板へ
筆者へのmailはこちらまで
HOMEへ戻る