安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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不本意な平服参拝
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〈 Wed, 19 Oct 2005 〉


●軍国主義のシンボルになった靖国

小泉首相が年に一度の靖国参拝を終えた。内外の反応は相変わらずよくない。ロイターなど国際大手通信社は、総じて中国のソースを基礎に報道する。中韓両国の靖国観は軍国主義のシンボルに、これはもう動かしがたい歴史の真実になってしまった。『12人のA級戦犯が祀られている』ことが毎度強調されるあまり、首相の参拝は戦犯を崇めるためという妙な方向へむかいやすい。

メディアはどこでもスキャンダルが好き。欧州諸国からのアジア記者などはスキャンダル風に味付けしないと本社が取り上げてくれない悲しい傾向が21世紀の現在もあり、日中がスワ激突するのを密かに期待する口調がラジオから伝わってくる。4月の反日デモを紹介し、また起こるか!ってな安っぽさ。

●日本世論が加担した隣国の反日

日本から発する報道にははもっと賛否両論があっても良さそうだが、参拝の是非より中韓の顔色をうかがい、もっぱら外交の支障になるのを虞れている。これは対外的にはたいへん拙い。国内で小泉参拝に対する批判を栄養に中韓は日本攻撃の度合いを増し、日中外相会談中止、日韓首脳会談延期になって現れた。

NYタイムスは朝日と提携しているので、中国を無意味に挑発しているとして小泉批判を掲載し、18日の英タイムスも総じて批判的だ。靖国参拝を中国が問題にし始めのは、1985年かそこらで、するとわたしが当地に移住して15年のちである。あのころは中華料理屋の中国人一家と一体感があったなあ。あれから日本人はますます平和にくらしてきたのだが....

戦犯合祀が日本政府攻撃に利用できるとどこかから教わった中国の小さな抗議にたいして、心配性から迎合したマスコミおよび日本世論がこの靖国問題を不可逆性にしてしまった。悪いのは靖国でも参拝する首相でもない。日本国民の自業自得です。でも取り返すならイメージはある。連日、靖国参拝に長蛇の列が国会議事堂までならび、議員がまとまって参拝し、しかるのち首相が羽織袴で公式訪問する。そこまで進めば否が応でも事実関係が明らかになり、国際記者は目からウロコ、隣国の政治的ねつ造であること判ったのでありました....このシナリオおれも安っぽいなあ。

ところで一番心配していないのは小泉さん。参拝については『先方も承知している』とかねがね言明していた通り『それでもおれは行く』とお断りしてあったのだろう。ついでに『それでも通商は発展する』感触と読みもあっただろう。

●英霊に首相が平服で柏手でよいか

小泉参拝にひとつ苦言を呈するなら、平服でお賽銭して柏手パンパンとはなんじゃらほい。子供の入試祈願をする親みたいなマネは辞めていただきたい。ずいぶん配慮したつもりであっても、参拝非難を隣国が考慮したりするもんですか。羽織袴でキチンと祭殿に登り玉串料など式辞に即して拝するのが、公私に関わらず首相たるものの英霊への礼儀です。『心の問題』は祭事なのです。

イラク攻撃を巡って米欧が対立、関係が冷え込んだがそのためにブッシュ批判に明け暮れるメディアはない。日本人は外の世界に心配性だ。また忘れっぽくもあり、それでバランスよく長生きするのだろうか。(了)



Pnorama Box制作委員会

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