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シリア内相カナンの自殺物語
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〈 Thu, 13 Oct 2005 〉
●ハリリ暗殺の国連調査 シリアの内相ガジ・カナン(Ghazi Kennan) が執務室でピストル自殺した。レバノン市民の声は口封じに殺されたか、自殺を強要されたというもので、自殺ではないという。ハリリ元首相暗殺はレバノン駐留シリア軍が関与していた。それはまぁ、あのハイテク爆破は米の電子誘導ピンポインットミサイルに比較できるほど正確無比、だいたい爆破規模からしてテロリストには高嶺の花である。シリア治安軍の情報組織以外に考えられない。 暗殺を恐れてロンドンに亡命しているレバノンの政治家が今もいるところをみると、レバノン・シーア派市民の声が真実味を帯びてくる。のであるが、わたしはやっぱり自殺だとおもうな。 ハリリ暗殺後まもなく国連独立調査委員会が結成され、報告書が今月25日に安保理で協議される。そろそろ報告書が提出される頃にかかっていた。3週間前にカナンは調査委員会の最後の事情聴取を受けて、国連報告がどんなものになるか想像はついていただろう。居ても立ってもおられない。 ●カナン辞世のインタビュー 自殺の3時間前、Voice of Lebanonの電話インタビューに高ぶった声で身の潔白話していて、その一部を繰り返し聞いていると(便利になりました)We have served Lebanon’s interest with honor and honesty. 『レバノンの為に名誉と誠心を尽くした』。インタビューの終わりに『これが私の最後の発言になるだろう』。辞世を暗示しているではないか。 実は大富豪ハリリ首相から巨額の裏金を、生命保険としてせしめていた疑惑があり、電話インタビューでもこのことを突かれている。だからなおのこと名誉と誠心をワメかずにおられなかった。カナンの知らないうちに軍の過激派が犯行におよんだとすれば、それもカナンの管理責任。金をとっておきながら....もはやこれまで。 予告されていたCNNのアマンプール記者のアサド大統領単独会見が、自殺の数時間前に放映された。ハリリ殺害をあなたは命令したか、知っていたか、とストレートな質問にアサド・ジュニアは『利益にならな暗殺は非論理的、そんなことは直接にも間接にもしない。暗殺者は裏切り者、厳正に法的処分を行う』となにやら犯人の見当がついているような言い方だった。 カナンは、お父さんアサドの庇護を受けていたが、ジュニアのバッシャードは庇ってくれそうにない。万事休す、ピストルを握った......(了)
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