安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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居場所を失ったシュレーダー
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〈 Sat, 08 Oct 2005 〉


●大詰めのグランド・コアリション(保革大連立)

保革大連合の閣僚人事にむけて最後の両陣営会談が9日(日)早朝8時から

行われる。その日の決定を持ち帰って党で協議したうえ、発表は月曜日。果たしてシュレーダーのポジションは? 本人は首相でなければ外相を要求、それ以外の大臣は副首相兼も含めて『侮辱』だという。(Westdeutsche Zeitung)

でも雲行きを見ると、侮辱されますな。社民党(SPD)はシュレーダーにあまり頑張られても困る。頭を切って閣僚で多数を占める『実』をとる造反議員が過半数を超えて出るのでは。そうなると造反したのはシュレーダー、てなことになりかねない。  

●仲良しプーチンと最後の宴

そういう修羅場の前にシュレーダーは、金曜の夜からプーチン53歳の誕生祝いに駆けつけ仲良しぶりをアピールした。今年だけで二人は9回も会っている。私的な訪問との由(私的ですぞ、小泉さん)。プーチンがKGB時代東ドイツで覚えた達者なドイツ語でツーカーの仲、それもあるが、プーチンは恩返しにシュレーダー支援を態度であらわした。

お礼というのは、人権、ユコス、チェチェンなどにシュレーダーが目をつぶってくれたこと、WTO加盟、G8メンバー入りに尽力してくれたことへのお礼である。もっともその間、ドイツはロシア最大の貿易相手国の地位を不動にし、石油・ガスを安く供給してもらっている。

メルケル新首相はシュレーダー外相に耐えられるか、プーチンと仲良しされては首相の面目がたたない。CDUは悪夢だという。選挙戦をふりかえるまでもなく、ドイツ国民にとっても欧州にとっても米にとっても悪夢である。

●シュレーダーの引け際が興味

保革大連合以外の選択肢がなく、初の女性首相アンゲラ・メルケルがほぼ確定した。あとはシュレーダーの身の処し方、権限のない副首相で我慢するか、潔く閣議を去るか、二つに一つ。シュレーダーが引退してもグランド.コアリションが円滑に機能する保証はないが、いない方がフラストが少なくてよい。歴代のドイツ首相は飛ぶ鳥あとを濁さず、負けを認めて引け際をきれいにしてきた。以上、懲りずに1日前の占いに耽ってみました。(了)

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後日記:
なんだ、月曜日またシュレーダー、メルケルCDU党首に加えてSPDとCSU各党首の4者協議を再開する。それで決まるかどうかわからないというから世人を翻弄するのもいい加減にしろ!いいたくもなるわ。シュレーダーはまだ頑強に首相の地位前期2年を要求している、としか考えられない成り行き。頑固首相の処遇についてドイツ世論調査では後見人(Victoriaユs father)が最も多く、次いで外相、首相は一番少ない。



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