安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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中国のお詫び外交(2)
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〈 Mon, 26 Sep 2005 〉


● 6カ国協議は中国の安全保障 続き

2004年11月のASEANサミットで中国は次のようなごく当たり前のようでいて、アジアの覇権を滲ませた声明をだしている。

−中国はアジア金融恐慌に抵抗し、SARSを撲滅し、インド洋地震津波災難救援において責任を果たした。今後、地域と国際問題において中国は引き続き発展途上国の権益を保護する。

−中国はアジア各国と共に世界各国のアジア発展への積極的な参与を歓迎する。

中国はどうすればうまく立ち回ってアジアのヘゲモニーを推進し、国際関係がわるくならないように出来るか、そんなことを日夜思いめぐらしているのです。その例が、6各国協議の声明にあやうく見過ごすような次の文言。

−6カ国は、東北アジア地域の持続的な平和と安定に向けて、共同で努力することを承諾した。当該国は、個別に交渉を行い、朝鮮半島の永久的な平和メカニズムを構築するよう努力する。

謂わんとすることは朝鮮半島で平和を乱す言行を慎み、問題は当事国同士で解決しろ、みなさん承諾したぞ! 米はマンマとしてやられた。また日朝関係で『過去の歴史を清算し』という文言は、清算が中韓朝の見解に沿ったものを前提としている。迂闊だったかもしれない。中国がお詫び外交の予防策にそれだけ知恵を絞っている証しといえる。

●貧乏とへりくだる中国

先日国連総会に合わせて、WB(世界銀行)が収入/有形-無形の資本をもとに、『富はどこに?』(Where Is the Wealth of Nations?)と題する198頁の報告書を発表した。早速、人民日報英語版がこのランキングを紹介し、見出しは:China's per capita wealth less than 2% of US, WB report.『中国一人当たりの富は米の2%以下』……自虐的でさえある。お詫び外交の変化球だ。

2000年のデータをもとにしたWBレポートにそこまでおもねることはないだろうに、これもお詫び外交の伏線だろうか。スイス、北欧や日米などトップ10諸国ほか、韓国、インドなどと比較している。因みに中国は93位、インドより上位につけた。

http://english.peopledaily.com.cn/200509/19/eng20050919_209436.html

この記事はなぜか日本語版にない。しかるに人民日報は日本が順位を下げる別種のレポート『世界で最も住み良い国』と『ビジネスチャンス自由度』は日本語版にランキングを掲載していた。さもありなん。(了)

参考:



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