安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ヒュ−ストンは石油企業の総本山
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〈 Thu, 22 Sep 2005 〉


●『リタ』強度5にアップグレード
リタがメキシコ湾をゆっくりと西へ、ついに先達を越してカテゴリ−5に成長しました。予報のようにガルベストンからヒューストンを襲うとすると、ニューオーリンズより知的産業が集約している大都市ですから、経済的打撃は数倍大きい。下記のごとき経済の権威が発表したグローバル経済予測はあてにしないほうがよさそうです。

この方向にはメキシコ湾のオフショーリグが連なってあります。すでにリグは全員避難してもぬけの殻ですが、カタリーナの通り道にあったリグの数よりもはるかに多い。しかも、しかもです、テキサスコーストはリファイナリーの大施設があり、ここで全米の4分の1を精油しているのです。ヒューストンは米のオイル開発から市場まで統括するいわば総本山、心臓部なのだ。ヒューストンがマヒすればいっきょにNYMEX-$100/bですな。マ、小説のネタにはなる。

●FRBとIMFの楽観的分析
さて、その2つの権威機関がカタリーナと石油価格の関連は穏やかという:
FRBはカタリーナの原油価格への影響は長引かない "Donユt believe fallout from Katrina poses a "persistent threat" (Alan Greenspan) との観測から FRBが0.25%(年3.75%)利上げした。

21日発表されたIMFレポートはけっこう明るい先行きを示しています。"Growth in 2005 will be about 0.1 percentage points lower as a result of Katarina" (Raghuram Rajan) ヘー、カタリーナは無視していいのですね。2005年の成長率:世界4.3%, 米3.5%, 日本2.0%, ユーロ圏1.2%, 中国9.0%。どの国も程度の差はあるが前年より低い。来年も各国成長率は落ちる一方ですが日本は横ばい。省エネ技術が評価されたのでしょうか。

●ガルフ受難、ブッシュ試練の年
ハリケーンの強さは5が最上段階ではなかったか。今度はラムズフェルドも表に出て軍を待機させ、迎え撃つ準備は着々と進んでいる。カトリーナの犠牲者は最終的に1000人に上りそうです。議会で承認された巨額の復興資金は税金を上げずにやるという。今度も増税なしに捻出するのですか?リタとくれば次はジュリー、続いてマリアetc.。ハリケーンは来年も来る。再来年も……

それにつけても、影響のない遠くの他人はキラクですな。HoustonでDean Martinを、GalvestonでGlen Campbellを口ずさむ。困ったモンダ。(了)



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