安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ノルウェー 、保守から労働左派へ
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〈 Thu, 15 Sep 2005 〉


ノルウェーの選挙ですが、即日解放が夜中には判明し、それから2日経ったが私には、こもごも不満を残した選挙でした。気が進まないので、コモゴモな私感を離れて、どんな選挙だったか、これからどうなるかなど、あらましをお知らせしておきます。

●選挙制度
法案の賛否チェック機関として2院制になっているが、選挙は衆議院にあたる国会議員総選挙があるだけで、4分の1をを当選者の中から話し合いで参議院にあたるところへ配分する。だから選挙に関しては任期の4年たった9月に総選挙がおこなわれ、途中で解散は、まずない。そのあたりは野党も国民も紳士的で、『 止めろ、不信任だ』なんて絶叫しない。政権奪取を訴える。

そうやって努力の甲斐あってイェンス・ストルテンベルグの労働党がグイーと伸び、全議席169のうち、左派3党で過半数を3議席上回った。破れた保守政権は予算案を提出してから、10月に政権開け渡しのプロセスを粛々とすすめる。そしてストルテンベルグ(59年生まれ)首相2度目の政権が動き出す。この前は30代でしたが今度は40半ば、政治家として理想的な潮時といえる。

キリスト教人民党のボンネヴィク首相は人気ガタおちでしたが、予想通り戦後最低の落ち込み、全議席の7%を下回るまで凋落した。保守党も一緒に大敗した。社会党左派も大敗したが労働党と連合政権の座へありついた

● 大躍進したものの孤独な進歩党
議席を大幅にのばし、労働党につぐ第2党に進歩党がある。この党がどういうわけか、左はもちろんだが、保守政党各派にまで嫌われていて、仲間外れにされる。話せばキリがないのでやめますが、わたしは一貫して進歩党支持です。この進歩党と保守党ないしはキリスト教人民党が組んで選挙戦をしていれば、保守派の完勝におわるのは目に見えていた。。が、政治家のあいだの個人的確執に国民がプロテスト投票することはことはよくある。日本では反乱議員が、ノルウェーでは首相と保守党党首が蹴飛ばされた。今回ほど国民が党替えした選挙はめずらしい。

さて、労働党政権になって何がかわるか、もともと2大政党の伝統があり、保守と左派が4年ごとに交代することに慣れっこになっている。大きな変化はない。国際市場も諸外国政府も反応はプラスでもマイナスでもない。それでも打ち出す政策は実行できるかは別にして、傾向としてかなり変化がある。

●福祉と社会平等の古典政策復活
老人福祉や学校など社会整備の充実が好きな政権、民営化は極力ストップするので私立学校は移民系宗教別以外は新しく認可しないだろう。なんでも横並びがモットーですから中層以上のサラリーマンは税金が高くなる。だが、強い労働組合がバックにいるので、病欠や失業に手厚い保護がある。電気代もガソリン代(現在1リットル180円)もさがらない。ま、わたしなんか年金生活が待ってるだけですから老人福祉の向上に文句はないが…

外交ではイラク(人道支援だけ)アフガニスタン、バルカンから兵を引き上げる。かわりに米兵のいないスーダンに送り込む予定。国連重視。また防衛費を削減するので戦闘機の買い付けは棚上げされる。

女性議員は40パーセントを割り込んだが、閣僚は4割ぐらい女性が占めるだろう。投票は党名を記入し、19の県で名簿順位に選出する。投票率は77% 労働党の一番若い議員は21歳の女性。(了)



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