安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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『革命はわが子を食いつぶす』
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〈 Sat, 10 Sep 2005 〉


●オレンジ革命で直し
ウクライナのユーシェンコが全閣僚をクビにした。7ヶ月前、不正選挙に反撥した民衆の支持をバックに、再選挙でプーチンが影日向にテコ入れしていたクチマに圧勝したユーシェンコ。帽子、ハチマキ、旗、レインコートまでオレンジ色が独立広場を埋め尽くした。群衆の熱気がすごかった。

それがです、ハイそれまでよとばかりに改革は捗るどころか閣僚同士の内紛やら、下々まで汚職だけが継承されて、とうとう全閣僚の入れ替えになりました。それが8日(木)、その4-5日前に官房長官にあたるチンチェンコが汚職閣僚に抗議辞職して、内紛がおおいに盛り上がったけれど、いい加減アキがきた西側報道は、どうせ改造できんだろうという見方でした。だからあの首相以下をクビにしたときは、私もヤヤっとビックリしたのです。

●『革命はわが子を食いつぶす』
という格言がある。解りきったことを失礼ですが、革命は国民を益せず食い物にするという意味です。オレンジ革命はまさに格言通りだ。ロシアの頸城を逃れて西側へ、EU加盟が目前にあるような錯覚は錯覚としても、そ政府としては最大の努力をすべきだった。何もしていない。西側の投資も企業誘致もありゃしない。それにはこれこれをしてくださいというWTOの注文にまるで答えようとしない。

しかるに革命のスローガン、汚職官僚追放はどうなったか。閣僚たちは、オレンジ革命に財政的に寄与した者のあつまりで、共産体制下、野にあって私腹を肥やした。ようするに体制下で私腹を肥やすか、民間で官に取り入って私腹を肥やすかであって、同じ人種である。政治的な統一も結束もない。全エネルギーは内部抗争に費やされ、そんな政府だからひっくり返って結構だ。どっちにしろ良くなりはしない。

●ユリア、ユリア・ティモシェンコ
さて、あの首相ユリア-ティモシェンコですが、この美女はお金がありすぎるのが不可解。ユーシェンコは二人の良好な関係は変わらない、またユリアは悪いのはユーシェンコの側近と庇っているが、そりゃじきに嫌悪になります。すでに『わたしたちの団結を壊し、国の未来を踏みにじった』と、エハヌロフが首相代行に指名されるや言い出しました。美人の自尊心を傷つけると怖いよ。

新首相はロシア生まれのエコノミスト。東ウクライナ、つまり親ロシア官僚どのだが、99年にユーシェンコ一派に加わった。経験力量とも合格。国会の承認も心配ない。ロシアとの関係修復で安定を目指す。併呑されるわけじゃなし悲観するにあたらない。ただいまは妥当な線です。来年はじめに総選挙がある(了)

付録:ユリアさんの写真オンパレードはここ、れっきとした政府公式サイト。http://www.kmu.gov.ua/control/en/photogallery/gallery?galleryId=12953875&
億万長者ぶりと不審な部分についてはここを読むhttp://www.guardian.co.uk/g2/story/0,3604,1359986,00.html



Pnorama Box制作委員会

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