安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ミシシッピー 奔流
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〈 Wed, 31 Aug 2005 〉


●カトリーナ大暴れ
ニューオーリンズ、ルイジアナを襲ったハリケーンの凄さ、母なる自然のコワさ、たじろぎました。商店略奪が横行し、オフショーリグが損壊し、石油価格が跳ね上がり、ことは風水害のみにおさまらない。あれは天罰だ、とイスラムの声あり。失礼な。

こういう大被害を蒙ると、世界各地からただちに救援物資が届けられ、リスキュー隊が駆けつけるのだが、世界の覇者アメリカに憚ってか、どうも支援常連の各国が逡巡している。身近にたとえると、『町内一の金持ち邸宅が水道漏れで家中ビショ濡れになった。すぐお手伝いに行く気はあっても常々の単独的振る舞いにあのお宅は好きじゃない。申し出るのが億劫だ』。世界という町内でアメリカが上記喩えのような状況にある。

そういえば中国も助けを呼ばない、来ない国です。水没炭坑で100人以上が昨日だったか絶望視、見ゴロシにすらニュースにならない。日本はごく一部の憎しみに染まった地域以外は概ね『愛される国』喜ぶべきかな。

●ブッシュ対策本部長と母なる自然
ブッシュはテロリストに打つ手はグローバルにある。9,11対策で支持率最高を記録したけれど、このたびは勝手が違う。ハリケーン特別対策本部長のブッシュ大統領はMother Natureを相手に何ができる?洪水地域の飲料水は?電気は? なんだ、イラクの町と同じ状況だぞ。ブッシュさんこの面では実績がない。でも少しはイラク市民の不便に理解が深まるか……エラそうなことを言ってしまった。

もうひと言、ブッシュは、CO2排出にこだわらず、水や森を大切にする心がけがない。あの超特大ハリケーン誕生の原因は海水温度の上昇、地球温暖化が影響しています。

さて、受け身の災害救援は小規模ならともかく、カトリーナぐらいの超弩級になると誉められる救援対策は不可能だ。損な役回りです。ニューオーリンズのまちは80%が海面の下にある。運河の堤防が決壊してはひとたまりもない。7メートルまで水かさが達したところでは屋根まで水没、泳げない者は最期だ。『水漬く屍』。

交通遮断された町や村は自力で脱出不可能なうえ、こういうときにかぎって携帯がつながらない。文明がいかにひ弱で、自然の脅威がいかに勝るか。何度いわれてもすぐ忘れるが思い起こすほどにはしまっておこう。

●オールドマンリバー keeps rolling
洪水のミシシッピー河、ポール・ロブソンが唱います。知らない?じゃ、フランク・シナトラやナット・キング・コールが唱うのを聞いた事あるでしょう。それも知らない? 嘆かわしい。
Ol' Man River He don't say nothin', but he must know
somethin' He just keeps rollin', he keeps on rollin' along.

(了)



Pnorama Box制作委員会

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