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核の平和利用と北朝鮮
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〈 Thu, 25 Aug 2005 〉
●再開6か国協議にふらつく韓国
前回は米・朝お互いに相手が妥協するだろうと辛抱して13日間、金正日の指示はかわらなかった。今度は5回目の協議、もう協議が惰性になっているので切羽詰まった意気込みは6カ国おしなべて感じられない。 焦点は核の平和利用を北朝鮮に認めるか、この一点。これにOKすればNPT復帰、敵対政策や米朝平和条約など北側の要求は軽いおまけだ。外交技術的に解決できる。2週間まえ、韓国統一相が北は平和利用のための『核をもつ権利がある』と本音をポロリと漏らし、潘基文外交通相も気さくに擁護発言した。 衝撃のウラギリに日米,中国もビックリ。米に叱られて急速に撤回しました。。韓国は内弁慶というか、大国に面と向かうと常に相手に同調する。で、中韓、日韓、24日は米韓と『核の全面廃棄』を確認したが、これはたてまえ。韓国の親北は永遠に不変ですから、いずれ国内向けに『平和目的の核利用は…将来…認め…』といった声がでてきます。 ●どこにでもある原子力発電施設 一般的に原子力発電や放射線治療に使われる医療目的の濃縮ウランはどの国でもの国で許されてよいのではないか。先進国は原子力発電を自由におこなっている。いまや独仏スウェーデンなどは環境に配慮して新しい建設をストップし、現在稼働のものは寿命年がくると取り壊す。ま、エネルギー問題は先行き不透明で必要になるかもしれませんが現方針はそうだ。当地ノルウェーは珍しく原発を行っていない。が、もちろん原子力研究所はあるわけです。 中国は原発建設を加速するだろう。パキスタンの原発は中国が建設を落札し、その一部濃縮ウランの筒と技術が北朝鮮にわたった。ムシャラフが数日前にあかしたこの事実は協議に影響する。 インドの原発はロシア製だが、現在は米が規制を緩めてインド原発の近代化をはかっている。韓国の原発第一号は米から輸入した。すでに国産が100基ちかくあるのでは。だから電力不足の北朝鮮に同情するのは自然な発露です。6カ国協議であくまで核の完全廃棄を迫るなら、仲間割れは韓国からはじまるだろう。北の原子炉建設に売り込みたくてうずうずしているロシアは内心ほくそえみ漁父の利を得る。ただノムヒョンに席を立つガッツがない。 ● 疑惑が滲みついたイランと北朝鮮 じゃなぜ北朝鮮はダメなのか、なぜイランはダメなのか、具体的な理由があるわけではない。信憑性の問題である。どちらも核開発はやりませんといっておきながらウラでやっているのが発覚した。イランがいくら平和利用といっても信じてもらえない。金正日の言質はなおさら疑惑がつきまとう。ビジネス取引で騙せば二度と取引できなくなり、学歴詐欺が発覚すれば国家議員ならずとも辞職においこまれる。個人も国家も『ここ』というときは信用がもと、つくづく滲みいりております。 予想:平和的な核利用について米は北に厳しい条件突きで歩み寄る。その条件を北朝鮮が数日で呑むのはむつかしい、宿題は次回協議に持ち越し。(了) |