安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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イラク憲法のゆくへ
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〈 Wed, 24 Aug 2005 〉


●ブッシュの誉め倒し
イラク憲法草案が出来上がらず、期限切れ一週間の延長になった。それをブッシュ、ライスが『イラク国民と指導者はたいしたもんだ、あきらめず対話と民主的姿勢に感銘をうけた』なんて褒めて、なにゴマカシてるんですか。

延長期限日の昨日は、期限時刻あと40分からずっとTV見ていて20分前まだなにもおこらない。10分前にやっとカラの壇上に座ったハサニ議長が、ムッツリとこりゃダメらしいと思わせる口調で話しだした。同時通訳があって憲法草案が議会に提出されたと、そこでまばらな拍手、しかし採決を3日間おあずけして、もう少し煮詰めます。対立点は三つあると説明してあとは記者会見を適当に、何事もなかったように時限の夜中がすぎた。

そしてまたもホワイトハウスはそれが素晴らしい事と、ブッシュは『イラクの民族的宗教的各派が協力してこの重大な仕事を行っている。政治的プロセスに参加する勇気ある道を選択した。そして共同でイラク国民の民主以降と価値観を反映する憲法を作ろうとしている』。とまあ、賛辞を惜しまない。が、聞いてる者はシラケておりました。

気に入ったのは"Iraqi people are standing up, and we are standing down" そうなってほしいもんです。

●25日採決、10月国民投票はウラ目に予想
憲法起草委員会には米人が実際面の文章作りから、ネゴの仲介、有形無形の圧力まで舵取りしているので日程もまた米側のリードだろう。そうすると、三日の延長、明日のことですが25日に採決されるのは確実とみてよい。イスラムに法った憲法の理念と連邦制だ。

それはよいが、10月15日が最終機嫌尾の国民投票でスンニトライアングル3県が賛成票3分の2以下なら憲法草案は水にながれる。その可能性はあまりにも大きい。そうではないのかな。米に奥の手などない。ジャファリ首相は笑顔を努力してやっているのかとおもったら根っからの楽天家ですね。『殆ど対立点はなくなった』なんて火曜日は機嫌のよいこと。

ウソです。一回目の延長から肝心な対立点は全然解消しておりません。解消したのはシーアとクルドの争点でスンニは宗教の扱い,石油の分配、連邦制、政府参画ポジションと数、バース党員の措置など同意していない項目が目白押しだ。
●雨降って地かたまる
おもうに、いくら話し合ってもできないものはできないので、国民投票で否決されてもいいのでは。流れは12月、もう一度総選挙をやり直すときに決まる。国民の審判が2度目の総選挙でより国の意思が明確になる。そのときにまたもスンニがボイコットすれば、反乱蜂起に対する国民の対決姿勢が固まるだろう。(了)



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