安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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死力をつくすシャロン
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〈 Tue, 16 Aug 2005 〉


●ステーツマン、アリエル・シャロン
月曜日、TVスピーチに現れたアリエル・シャロンの巨体がおもいなしか小さく見える。体重が減った。悲劇の勝利を導くシャロンは痛々しくも栄光に輝いて見えました。ガザ撤退はシャロンがひとりで決意した。あれから2年近く……わたしついセンチにました。

15日から始まった撤退は大きな混乱なくすでに大半が地区を出た。今日から居座り組の強制排除がある。辛い抵抗シーンを通過しなければならない。住居は破壊し撤去、軍事施設の解体撤去は数週間で完了。こうして38年に及んだガザ占領地入植の歴史が終わる。感動的である。ガザ自治区のパレスチナ人は検問なしに自由にあるき、パレスチナ人が海に開く港湾を管理できるのだ。

月曜日、ガザ撤退開始に際してシャロン首相の感慨深いTVスピーチは、国家の存亡について、時代の変化について考えさせられました。。全文は次のサイト参照。htt p://www.haaretz.com/hasen/spages/612909.html 

●スピーチの抜粋から
『多くの人と同じく私もナツァリムやクファルヤムの入植地をいつまでも維持できると考えていた。だがわが国の、この地域の現実が変わってしまたいま、異なる判断と立場をとる必要がある。』

『撤退はイスラエルにとって不可欠の政策だ。ガザを永遠に保有することはできない……そこには100万人以上のパレスチナ人が住んでいる……難民キャンプで、貧しく将来の望みもなく憎しみの温床になっている。』

『私が2年近く前に発表したこの一方的イニシアチブによる撤退計画は、現実を見据えたイスラエルの回答です。これによって恒常的な衝突と両側の犠牲を縮小し、イスラエル軍は警備フェンスのこちら側に留まるようになる。世界はパレスチナの反応を,平和の手を差し伸べるか、あるいはテロの烽火を続けるか、世界は待っている。攻撃を続ける者へはフルフォースでこれまで以上に厳しく報復する。』

『撤退によって我々は社会問題、経済問題などの国内問題に取り組む余裕を得る。貧富のギャップを縮め、教育、社会保障に力を注がなければならい』

『ガザ地区の我が民は、パイオニア・夢の体現者であった。治安と入植にまつわる重荷をわれわれに代わってって担ってきた。あなたがたの痛みと泪は我が国の歴史のうちにある。撤退がどうであれ皆さんを見捨てはしない。生活とコミュイティーの再建に政府は全力で支援する』

●補記:ガザ撤退を決断はイスラエル社会に分断と亀裂をもたらし、シャロンは党内でマジョリティーをうしなった。リクードで否決された状況を昨年5月コラムに書いている。それを読み直して小生の落胆と、リクードタカ派への憤懣が正直にでていました。
http://osaka.cool.ne.jp/hard_column/hard_column/no_nippon479.html
>イスラエルのタカ派は想像を絶する民族主義者、ガザ地区に入植しているイスラエル人は7500人、一万人に満たない。周りには200万のアラブ/パレスチナ人が石を投げ、迫撃砲から自爆テロまで、脅威にさらされている。そんな孤立した入植地を護るためにイスラエルがタンク、ガンシップを動員するから、報復合戦が終わらない。押しまくられるパレスチナ側は、親の闘争は子から孫へ、幼稚園から教育して憎しみの“入植”を徹底してきた。<
(了)



Pnorama Box制作委員会

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