安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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Oil-for-Fraud Programme
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〈 Tue, 09 Aug 2005 〉


●国連計画責任者のワイロ要求
タイトルはOil-for-Food Programme石油食糧交換プログラムを石油詐欺交換プログラムのシャレ、私の発想です。石油原油ビジネスとワイロは切っても切れない関係にある。石油産出国をぐるっと見渡せば、中東、アフリカ,中南米、ロシア、中央アジア……心付けを出すのが礼儀とわきまえないと商売が成立しない。それは仕方ないとしてもです、イラクにかわって石油を販売する役目を仰せつかった国連の担当官がまねしてワイロを要求しては、国連の人道計画が泣くではないか。しかも計画の責任者セヴァン氏が、キックバックを要求していたという。

独立調査委員会のポール・ヴォルカー報告は暫定一次、二次報告までどうも玉虫色で、書類をシュレッダーにかけた秘書を結果として追い出し、アナンの息子を追いつめたものの、総長の関与はウヤムヤになってしまった。アナンはイラク復興や、インド洋津波、安保理拡大など国連の活躍舞台をあたえられてブッシュ政府のの総長攻撃は尻すぼみ。牙を抜かれたボルトンはもはやアナンの脅威ではないだろう。アナンが怖れるのはヴォルカー独立調査委員長である。委員会はアナン氏の不正関与について9月に結論を出す。

●国連計画責任者のワイロ要求
ヴォルカー委員長はヤワ過ぎる。過去何度も国連批判を繰り返してきたわたしはもう石油食糧交換計画にまつわる不正疑惑は大物まで上がらないだろうと悲観的になっていたところ、1日公表された三次暫定報告書で疑惑の中心人物が名指しされた。この委員会には刑事事件に提訴する権限はない。しかし計画責任者-セヴァン氏の口座があるマンハッタンの検察庁は捜査を既に開始している。また、調達交渉係だったキーパーソンのヤコレフ(52歳ロシア出身)は頑強に否定したまま突然辞職、今回の報告書に名指しされてついに詐欺-共同謀議-マネーローンダリングの罪状を認めた。最高20年の実刑が待っている。

国連計画のチーフであったベンソン・セヴァン67歳はキプロス出身、40年の国連勤務をおえて昨年退職した。本人は謀略、スケープゴートにされたと否定しているが、報告書には関連口座の出し入れと、その前後だけにおこる賄賂授者の電話交信など、疑いようがない。明るみになった額は2千万円をこえない。サッダムがせしめた2千億円にくらべるとピーナッツだと……少しなら些事なのか? バカ、額の多寡を問題にしているのではない。国連トップに不正されたら弱小国は立つ瀬がないわな。

● 国連紳士に騙されるな
セヴァンと同じキプロス出身の同計画職員は一足早くアナンに馘首されている。今度は親分というわけだ。親分セヴァンはニューヨーク口座のお金は叔母から貰ったと説明するが、伯母さんがそんなに持ってないことぐらいすぐ調べがついている。どうして子供騙しなウソをつくのだろう。周りは素直に信じるものと習性になっってしまったか。国連に40年もいると、国際紳士然とした風貌と態度ができるようですね。セヴァン氏はどう見ても悪人に見えないが、はてな。

われわれは国連紳士に騙されやすい。この食糧計画では前総長だったガリ氏も怪しげだ。話しは変わるが、敢えて言ってしまおう。スレブニツィアの虐殺は、当時のガリ総長の無関心とボスニアへ国連特使として赴いた明石康氏に責任の一端があると思っている。当時、カラディッチを買い被った氏の発言に愕然とし、ソフトな語り口に隠れた自己過大評価にたまげたものです。(了)



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