安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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イラク民間人死者、25000人を超す
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〈 Wed, 20 Jul 2005 〉


●イラク民間人の死者25000
この数が多いのか少ないのか、過去の戦争と比較するのはナンセンス。この数字が示す特異な点はテロの犠牲者が大部分であること。2003年、米英軍が侵攻して数週間は誤爆や巻き添えでイラク民間人の犠牲者が多かった。が、その後の2年間、今日まではイラク反乱グループの無差別テロ攻撃が原因である。犠牲者25000人の大部分は反乱イラク人がイラク人を殺した。こんな状態ではたして国内統一ができるだろうか。やはりたいへんな数字におもえる。侵攻作戦の失敗は覆いようもない。

火曜日、統計を発表したのはオックスフォード・調査団と独立組織である「イラク死体カウント」 www.iraqbodycount.net/ 、最低と最高の予測数を刻々と計上しています。以前にもとりあげたように、この平和活動家も混じる組織の統計は国際的に認知され、よく引用されるようになりました。

米軍1700人と同盟軍の死者は正確に知られているが、フセイン政府崩壊のカオスにあってイラク側犠牲者の正確な統計がない。イラク移行政府によると、自前の警察、治安軍が発足してからその死亡した要員は1300人と、戦略上過小に見積もる傾向がある。米のブルッキング研究所はその倍を上げている。またジョンホプキンス大学は1000家族の聞き取り調査からイラク民間人の犠牲者を約10万人と算出した。

●8月15日がヤマ場
新憲法起草委員会のメンバー3人を殺害、この3人はスンニから委員に請われて加わった人物である。政府のスンニ抱き込みをあざ笑うように反乱ミリタントは協力者は同族だろうと容赦しない。憲法草案提出の予定日は8月15日、草案が期限までにまとまらなければブッシュは苦境に立つ。ま、それがミリタントの目的なのだが。

これまでイラク民民主化のステップを、指名暫定政権から選挙を経てまがりなりにもイラク人の民主政府が発足した。ここでジャファリ首相が危機を乗り越えられるか、おもうに犯罪テロを逆手にかえって草案がまとまりやすいのではないか。デキル公算がたかい推測します。

「アル-ルード」と名乗るグループから「8月15日を期限に欧州の派兵は撤退せよ」と、ネット上に声明が出た。デンマーク、オランダとともにノルウェーも名指しされ、関係者は撤収しないとしながらも頭をかかえているところです。ノルウェーからは伝統ある「教会緊急支援」など民間の人道支援グループが3カ所で働いている。衛生、不良児童更正の分野で活動するNGOですが、戦闘部隊ではないと説明して通じる相手ではないし……。(了)



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