安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ガザ地区撤去をめぐる話題(3)
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〈 Mon, 18 Jul 2005 〉


●ガザ入植地撤去の経理
ガザ地区21カ所の入植地居住者8000人と、ヨルダン川西岸の北部に点在する小さな飛び地4カ所からユダヤ人を外へ引っ越しさせるためにいくらかかるか。引っ越し費用がもんだいなのではない。引っ越し先はガリレアとネゲブに準備されているが、新居を建設し、仕事を斡旋し、自立できるまで経済援助が要る。

加えて、入植地にある軍の基地も撤去・移転し、そのかわりガザ地区のエジプト国境監視軍を増強する。監視所施設の拡充に当面出費が嵩みます。エジプト側からトンネルを通じて武器や外人過激派の侵入を監視するイスラエル軍は、パレスチナ国家が成立するまでするまで駐留する。だから何年先になるか見当もつかない。

一応、米は撤去費用として5億ドルを約束していた。7月に入ってシャロンは22億ドル支援要請ミッションをワシントンに派遣した。その後どうなったか、追跡していませんが、無償と有償の組み合わせで半額くらい、イスラエルが金作りのため再度中国に無人偵察機を売却しない程度の支援額に落ち着くだろうとおもう。それだって議会の承認が必要なんで、もっと削られるかもしれない。

米は年間30億ドルの財政援助をイスラエルに与え、そのうち20億ドルが軍事用に充てられている。

●ガザ地区に夢のガス田
ガザからイスラエルのオフショーに石油ガス資源があっても不思議はない地質構造があるにはあった。ブリティッシュガス(BG)が採掘権を得て試掘していた。ガザ地区の沖に大ガス田発見のニュース7月初めにパレスチナ自治政府の「資源・エネルギー監督庁」発表され、手回しよくエジプトのガスパイプラインを利用してガスを販売する契約をエジプト政府と合意したこことも発表。今後20年間の採掘権を持つBGと3者で国際エネルギー市場に輸出する計画だ。

なにやら「取らぬ狸の皮算用」というか、浮かれ過ぎが気になる。イスラエルが黙っているのがもっと気になる。イスラエルはプーチンのガスプロム社からトルコのパイプラインを通して年間400万立方メートルのガス輸入を交渉中である。ガザでガスが吹き出せばシャローム!確かになるまでガスプロムとのはなしは棚上げになった。

確かになるのは9月、オーストラリアからリグが到着し、ガスの量と質がわかる。BPの発表では硫黄分のない非常に良好な質という。

油田がホンモノならパレスチナの将来はパっと明るい。イスラエルにもありがたい。中東ガス戦争?まさか、考えすぎでしょう。(了)

追記私感:日曜日もアッバスはハマスに自制を促した。ガザ境界に集結したイスラエル軍は、ハマス武装派の攻撃がっても自治政府がハマス制圧に努力する限り、侵攻しない。



Pnorama Box制作委員会

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