安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


-------- ----------------------------------
ガザ地区撤去をめぐる話題(2)
------------------------------------------
〈 Sun, 17 Jul 2005 〉


●イスラエル人どうしの武力衝突はない
イスラエル最近のの世論調査ではガザ入植者の撤去に賛成が54%、明確な反対は40%以下。この数字に支えられてシャロンは強硬に撤去をすすめることができる。入植地に通じる道路を封鎖し、住民以外は入れないようにした。こうして外部からの支援グループをシャットアウトしてしまった。

イスラエル各地で起きた撤去反対派のデモは、統制のとれた軍に押さえ込まれてあとがつづかない。市民の賛同がえられないのだから。しかしイスラエル軍は長年戦争をやっているだけに、デモくらいは赤子の手をひねるようなもの、ゴボイウヌキにして放水車で見事に蹴散らしてしまう。前回触れた占拠ホテルの排除はたった15分で完了でした。コマンダーが『暴力に訴える者は同国人とて銃撃する』と宣言しているので、腹いせに駐車の車を燃やしたり、めったなことは出来ないのです。

イスラエルがガザ地区を占拠したのは1967年の6年戦争以来、ここに漸次入植地地を造成した。そこからイスラエル側に通勤する不便、パレスチナの中にあるので警備に出費がかかる。わずか8000人のためになんというムダか。そもそも入植がまちがっているのだから敵地内にしがみつく事はないだろう。立ち退かずしがみついているのはそのうちの数百人にすぎない。この人たちのために味方になってくれる人は減る一方である。

●悲しいパレスチナ内戦
土曜日のクラッシュで2人死亡、30人が負傷、その半数がパレスチ治安軍と警察である。内戦の前哨戦といってよい。多くのパレスチナ警察官はマスクで顔を隠し、ハマスと戦っているという。非番の日に仇打ちされないための工夫とは・・悲しい戦いはつづく。土曜日はまたハマス側からイスラエルに向かって例のカッサムロケットが20発ほど発射された。幸い死者は無かったので、金曜日のようなイスラエル側の大量報復はなかった。

●パレスチナ三者三様の発言
▽アッバス議長:TVで武装派に『パレスチナ治安軍を乱す者は犯罪者として処罰する』。イスラエルと2月に合意した停戦を守るよう要請した。
▽ハマスリーダーのイスマイル.ハニエ:『レジスタンスは逮捕できない。ファイターを投獄するなどあってはならないことだ』
▽クレイ首相:イスラエルはハマスを挑発し、パレスチナ内戦を焚き付けている。

パレスチナ側はイスラエルがガザを空爆して5ヶ月の停戦を破ったと主張、イスラエルは12日の自爆テロ(ネタニヤの商業施設)が停戦を破った。空爆はその報復としている。

来週ライス長官が中東へ来てシャロン、アッバスと停戦とガザ撤去について会談する。うまく合意できてもハマスはかやの外だからどうなりますか。しかもライス長官はサット意見してサット帰る人、長居して議論をツメる労をとらない。

ガザ撤去には空港移転や入植者の移転地、住居、etc.費用が嵩む。シャロンが米に頼んだ22億ドル。そんなことを次回に。



Pnorama Box制作委員会

ひとこと言いたいなんでも・掲示板へ
筆者へのmailはこちらまで
HOMEへ戻る