安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ガザ地区撤去をめぐる話題(1)
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〈 Sat, 16 Jul 2005 〉


●パレスチナ人どうしの武力衝突
中東和平が足踏みしているところへ、パレスチナ人どうしの銃撃戦がやっと現実に起こりました。「やっと」などと過激に言いますが、これはパレスチナがひとつの国家としてイスラエルと国際社会に対峙するための通らねばならない試練とわたし考えます。テロ国家を内包する国と和平交渉が成立しますか?できる相談ではない。

アラファトは、PA(パレスチナ自治政府)をないがしろにし、アラファト権力の母体であるハマスなどイスラム原理主義過激派組織を「パレスチナ内戦」を避ける名目で最後まで仲良くした。アラファトでは和平が望めない決定的理由です。わたし20年数年そういってきた。パレスチナ内戦こそは「僥倖」なのです。語弊じゃないぞ。

14日、アッバスがハマスとの話し合いにガザ地区にきたところを、ハマスが例のカッサムロケット砲弾をガザ北部からイスラエルに向けて発射、普通は当たらないのにたまたま女性一人が死亡した。で、アッバスが怒った、とおもうな。

15日、アッバス議長は武器を使用しないハマス取り締まりから武器使用にゴーサインを出し、活動家一人殺害、負傷者多数をだした。野次馬的市民・子供が巻き添えになっている。イスラエルもまた報復に爆撃ヘリからガザ地区や西岸のナブルスを攻撃してハマスの幹部と活動家5人を効率的に殺害。シャロンがアッバスに公言した「対テロ無制限軍事作戦」である。それにしてもバランスが合わないなどという平和活動家がしゃしゃり出なくなった。理解が深まったのなら結構なことです。

これでパレスチナ過激派はイスラエルとパレスチナ政府両側から実力行使され、一般市民の支持もジリヒンになっている。四面楚歌に直面していよいよ自暴自棄になるかもしれず、停戦に応じる可能性もある。どっちにしろしばらくは膠着する。

しかし武装派指導者のランティシや精神的指導者のヤシン師が暗殺されたあともう1年以上になるが、ハマストップにカリスマ指導者が現れていない。流れとしてはハマスは武装勢力の解体に向かいます。

●イスラエル人どうしの武力衝突はない
ガザ地区入植者8000人および西岸の一部撤去に関して、武力抵抗を辞さない立ち退き反対グループとその支援者がシャロンに歯向かった。ガザ地区のホテルを占拠してイスラエル警察・治安軍とあわや一戦とおもわれていた。撤去に反対で出動を拒否した治安軍兵士なども出て、おくれるかと懸念されたが、予定通り8月15日ガザ撤去を完了するようです。シャロンが一方的にガザ地区撤退を言い出したのが2004年の1月。長かった。後を引く紛糾もあるだろうが、まずはめでたい。

この稿長くなるので次回へ。



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