安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ロンドン 2012
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〈 Thu, 07 Jul 2005 〉


● 負けグセがついたフランス
2012年オリンピックはロンドンに決まり。 どうしてもフランスはイギリスに勝てない。フランスが主になって書き上げたEU憲法が否決され、ブレアに還付金返還を拒否されたうえEU予算は宙にういたまま。間のわるいことに、2005年後半のEU議長国はイギリスだ。泣き面にハチのシラクさんだもの、古いジョークで英米をこきおろしたくもなるわな。

シラク支持率急降下する昨今、ここらで一気に人気を挽回、フランスの失地回復のためにはオリンピック開催地に選ばれること。で、パリは施設の現実的な計画に説得威力があり決定までずっと他の候補4都市に先行、大いに希望が持てた。パリっ子は64でロンドンに勝つとおもい、シラクさんは内心ほくそえんでいたのに……。喜びに沸くロンドンの様子を観るパリっ子の消沈たるや、可愛そうだがこれがオリンピックのしきたりだもの。

●最後に逆転したイギリスの総力結集
IOC投票会場のシンガポールに集まった招致運動の花形がイギリスに多かった。モスクワはプーチンが知らんぷりではハナシにならない。ニューヨークはヒラリー・クリントンを送り込んだが『アンタだれ』?ここは高慢なヒラリーさんが出る幕じゃない。マドリードがそこそこ票集めできたのはスペイン皇室とラウルの人気によるのであって、サマランチIOC名誉会長は結果的にマイナスだったようにおもう。イギリスは最後のツメにでブレアとベッカム、セバスチャン・クーとスティーブ・レッドグレイブというスポーツ紳士が、雑把な施設計画にもかかわらず顔と弁舌で先行パリを破った。

ひきかえ、フランスはシラクさんのシンガポール行きが遅れ、ブレアに先を越されて2番煎じのプレゼンになってしまった。また、フランスからはこれといった売り込み著名人がいない。招致運動に関するIOCの規則では「他の候補都市を批判してはならない」ことになっている。フランスがロンドンの計画を中傷し互いの非難合戦に発展したが、言い出しっぺのフランスがより評判を落とした。米の票が大方イギリスに流れ、スペインの票がイギリスに味方したようだ。ロシアの票はそっくりフランスにわたっただろうが、もともと少ない。

●再開発されるイーストエンド
さて、ロンドンのリビングストン市長は「明日から準備を始める」と宣言し、警察所長は「期間中15,000人のポリス(全英警察官の1割)を配備する」といいました。競技場サイトはイーストエンドの再開発を兼ねておこなわれ、ストラトフォードのあたりが中心になる。このあたりは半数が移民と移民系で、バスに乗ったら白人が殆どいない。いても東欧系である。荒れるに任せた空き家があったり、環境はよろしくない。この近くが開発されるならありがたいことです。下のヘラルドトリビューンのサイトから、負けた各都市やロンドンの表情とオリンピック会場完成図を見せるスライドショーにアクセスできます。 http://www.iht.com/(了)



Pnorama Box制作委員会

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