安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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イラン新大統領の過去 VS アメリカ
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〈 Fri, 01 Jul 2005 〉


●大使館を占拠した学生グループ
イラン新大統領が、1979年テヘランの米大使館を占拠・外交官と館員を人質にした首謀者だと、当時の人質が明らかにした。のでマクレラン報道官が『深刻、鋭意調査する』と言っているが、この話しは真実。大使館内と、その後人質52人が刑務所に移されてからも尋問に関わっていた。米政府はとっくに承知している事実である。だからって現実的な対米関係がどうなるものでもない。

小生ですらラフサンジャニとの決選投票の前(6月20日)アフマディネジャドについて書いていた。>元イランの全学連闘志として米と断絶する原因になったテヘランの米大使館占拠の実行メンバー、筋金入りの反米さんだ。<

●カーターとホメイニ
ちょっと私流に事件を振り返ると:米に亡命したパーレビ国王を裁判にかけるため返還要求をかかげて学生300人が米大使館に侵入、座り込みしたのが、そもそもの始まり。これを亡命先パリから帰ったアヤトラ・ホメイニが支援したものだからイラン警察も手を出せず、反米にイランが団結するシンボルになってしまった。カーターはホメイニになす術もなく釈放まで444日、風化する長さを要した。空母ニミッツから出撃したイチかパチカの救出作戦は、夜の砂漠で着陸のヘリどうしが衝突し炎上……寝耳に水のニュースに呆然としたものです。アメリカ人が歯ぎしり・慚愧する事件である。

この学生組織は「大学とイスラム教の連合強化」という意味の学連で、新大統領アフマディネジャド(以下略してアフマ)が設立に参加したと、ここまではアフマのHPに載っている。

バスで押しかけ占拠した学生グループのリーダーが否定するのはなにも奇異ではない。最高指導者ハメネイの後見があるアフマに不利な発言などもってのほかだ。しかし『アフマはグループの同士ではない、占拠と関係ない』としながら『それは本人に聞いてくれ』とも言っておりますな。

●BBCのシンプソンも覚えていた
既に何枚も当時の写真や映像がマスコミに出、さらに証言が増えるとおもわれる。しかしなんといってもジョン・シンプソンの次の記事は白眉、一読おすすめです。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/middle_east/4626081.stm
28日に書かれていて、テヘランの大使館で会った記憶ほか、インタビューのテープがBBCのどこかにあるらしい。それはさておき、冷静なアフマ分析、イラン情勢の読みが深い。要旨を次回に紹介します(了)。



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