安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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頑迷なタリバンの攻撃
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〈 Thu, 23 Jun 2005 〉


●ライスのズバリ発言
中東訪問に出張したライス国務長官はキツーい発言をやめない。羅列しておこう:▽エジプトの大統領選は民主的でない▽シャロンもアッバスも和平推進を急げ▽レバノンにはシリアのスパイが残っている。▽サウジの体制は民主化努力が足りない。

中東からブリュッセルでの『イラク支援国会議』では、アナン国連総長が80カ国以上が参加した会議を自賛し、眠くなるよぷなイラク和平の呼びかけに終始したが、会見の隣に座ったライス長官は『シリア外国ジハードのイラク侵入をまだ見過ごしている。国境封鎖を怠っている』とキツーい非難。およそ謂わんとする事を飾らない人だな。きっとマイナス面がそのうち膨らみそうな気がする。

ライス長官奮迅であるが、パレスチナとイスラエル、イラク、アフガニスタン、軒並み情勢が悪い。アフガニスタンは戦争終結が3年半前、カブール陥落で沸いたあの頃から4年近くが過ぎた。まだタリバンの攻撃が治まらず、オマル師やビンラデンはどこへやら。いまでは懐かしいあの「カンダハル」のあたりで、なお戦闘がかわされている。

●カンダハル北の戦闘
カンダハルの少し北にあるカラトの町、その地区に駐留する米軍基地が3月からタリバンの攻撃を10回受けたという。平和維持軍のつもりでやってきた米兵はそれどころじゃなかったわけだ。

22日のタリバンファイターとの戦闘は11時間、掃討作戦はアパッチヘリからの攻撃と地上軍の砲撃のあと戦場に転がるタリバンの死体をカンダハル警察は76体収容(米軍発表は49)し30人拘束したと発表。アフガン警察と国軍は計8人を失い、2001年にタリバンを追放した……と思ってからから最大規模の戦闘でした。アフガニスタン秋の総選挙を睨んでの掃討作戦である。

タリバンの残党は約1〜2万人で、たいした装備もない。それでいながら未だこの有様だ。イラクのテロ組織,その温床はもっと深い。そうするとイラクの秩序回復は最短で10年さきのことだろうか。

本邦の賊軍たち、西郷さんや新撰組は頑迷のなかにも潔かった。水不足の中東地域にはそもそも『水に流す』という諺がないのかも。(了)



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