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イラン、番狂わせの極右躍進
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〈 Mon, 20 Jun 2005 〉
●投票率50%切るもよう
前回書いた事とまるで逆の結果になろうとは、あぁキマリ悪い。イラン大統領選挙の投票結果はイラン政府も予想外のイスラム主義者の大躍進!、エキスパートが予想できずに、情報齧りの小生ごときにわかるもんか。欧州,米とも色をうしなう開票結果です。 予想は穏健現実派のラフサンジャニがリード、改革のモイン元科学技術相が追い上げ、一歩さがって保守のカリバフ元警察長官。3人があらそう構図だった。 結果はラフサンジャニ(70)がトップであるものの得票率20.8%はみじめだ。2位につけたのがテヘラン市長の最右翼アフマディネジャド(47)、19.3%。改革派モインはかすんでしまった。 ●テヘラン市長・アフマディネジャド まず、投票率が60%を超えた。予想が狂った大きな原因はここにある。というのはイランで民衆を動員できるインフラといえば宗教組織、モスクが圧倒的でイスラム至上主義保守派の牙城である。投票所では軍や聖職者が監視に立ち、無言の圧力が加わった。アフマディネジャド(覚え安いように「アホまでニャンじゃと」をヒントにする)は最高指導者ハメネイの覚えよく、イスラム縦社会をとおして最下層まで、特に貧しい層の票を集めた。テヘラン市長は土建が専門で市外交通に業績があったほかは西欧臭いものは排斥し、イスラム原理社会を標榜する。元イランの全学連闘志として米と断絶する原因になったテヘランの米大使館占拠の実行メンバー、筋金入りの反米さんだ。 ●幻想だった改革派ムスタファ・モイン 現在の全学連は様変わりして欧米協調を目指し、逆に現状閉塞から選挙をボイコットした。改革できずに8年の任期を終え大統領ハタミはモインを推していたが、ハタミは西側がおもうほど国内人気がなかった。今頃知ってあとのまつり。まだある、中上流や学生のあいだでネットブログが賑わっていて、この方面ではモイン支持がダントツに強かった。しかし人口割りに考慮せず、判断を誤った。 ●決選投票のゆくへ ベテランのラフサンジャニとアフマディネジャドの決選投票は週末金曜日、あるいは来週早々行われる。予想は……やめとこう、勇気ありません。テヘラン市長には御大ハメネイのバックがついている。でもねぇ、かつてフランスでは超右派のル・ペン阻止のためシラクさんが大勝利した前例もありますからね。 ところで事実上イランを支配する最高宗教指導者ハメネイは国民選挙を通さない。中国共産党が国家主席を選択するのに似ている。(了) |