安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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イラン、選挙を拒否する若者たち
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〈 Sat, 18 Jun 2005 〉


●投票率50%切るもよう
17日のイラン大統領選挙は、政府系のメディアによればは予想より多くの投票者が列をなし、締め切りを3時間延長した。マイノリティーのゾロアスター教信者やスンニが大グループで投票したとか、滞りなく選挙が終わったというが、投票率は50%を切った報道もある。

結果は日曜日に確定する。出口調査など、予想ではイスラム穏健派のラフサンジャニと改革派のモイン元科学技術相(といっても従順な体制内にある)が競り合っている。正真正銘の保守派カリバフが伸び悩んだようで、これはとりもなおさず改革への望みが保守的な国民にも存在する証拠である。イランでは宗教最高指導者のアヤトラ・ハメイニが最終的な権力を持って、気に入らない改革案を潰してきた。それでも選挙のない国より民主化へ進む気配はあるわけで、選挙制度を無視するのはよくない。

●選挙にいかない若者のアパシー( 失望感)
25歳以上で選挙権があるイランでは有権者4670万人のうち30歳未満の若者の比率が際立って高い。で、この若い連中が選挙に行かない。目覚めた若者たちの考えは毎回同じみになった理由による。なにしろ1000人の候補者が宗教家選考で資格ナシとされ、女性候補は女性というだけでなダメ。最終的には宗教家政治である現体制に完全に失望、投票拒否によって体制への抗議を示そうという戦略である。ボイコットにはきわめて高い政治意識と無気力が入り混じている。

海外に亡命または嫌気がさして欧米に住むイラン人は300万人といわれる。外国での投票もできるが、それより選挙ボイコット運動の発信地になってしまった。投票率が低調におわり、ラフサンジャニとモインどちらも過半数をとれず、イランではじめての決選投票になりそうな雲行き。ま、どちらに決まってもイランの政治はかわらない。電力豊かな石油国イランにどうして原発電力ががいるのか、おかしな政策はかわらないだろう。(了)



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