安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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一匹羊になったパウエルさん
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〈 Wed, 15 Jun 2005 〉


コーリン・パウエルのあまりにも中国より反ワシントン的発言はどうしたことか、すくなくとも論壇のトレンドではない。北朝鮮発言では後任のコンドリーサ・ライス長官と真っ向から対立している。両方のファンと致しましては物言いするのがと辛いな〜。この場はアンチ・テーゼとして傾聴しておいて、以下パウエル発言の要旨。

●中国人は偉大な国民
バンコクのホテルで開かれた「アジア経済指導者フォーラム」で200人の参加者を前にパウエル前国務長官が基調演説に登場した。『中国はたかまる経済的脅威ではない。中国は米国の軍事的脅威とはおもわない』との卓説。中国より、ワシントン離れの発言にこれでもアメリカ人なの?とおどろくほどの演説だ。敵をつくらず対決を避け、話し合いを追求する氏の考え方はよいとしても、中国が正すべき分野がいっぱいあるんですがね。

The threat comes from the capability to execute these plans and the intention to do so," he said. "My analysis in the last four years is that China has no such intention. China wishes to live in peace with its neighbors and the U.S."
脅威は計画を実施するか、その意図があるかによっておこる。『わたしの見るところ、過去4年間、中国はそのような意図を持っていない。中国は近隣諸国や米と平和裡にありたい望んでいる。』

●13億の人口にもっと経済成長を
翌日、香港で行われた「太平洋地域経済会議」ではもっと親中国に『中国の軍事費は米国防省の試算よりはるかに少ない。』と、ネアカである。ペンタゴン不信はなお尾をひいているような……。

米議会が中国繊維製品の来年度輸入料を上限7.5%に決定、欧州も輸入制限に踏み切った。この繊維摩擦のなかでパウエルさんは言う:『米消費者安くて品質のよい製品を享受しており、そのことを中国はもっと説明する必要がある。米国内の雇用にも貢献している』。さらに過激に『13億の民を養うため、さらに経済成長すべき』。

ちょっと待ってくださいパウエルさん、中国経済の勢いもうやめてくれという気持ち、考え直すときじゃありませんか。あるいはパンク寸前かも。

●北朝鮮に理解
ライス国務長官が北朝鮮の金正日総書記が正気かどうか会った事がないのでわからない(TVトークショウ13日録音14日放送)と発言したのに対比して、パウエル前長官は北は賢いと言った。''I am not concerned that North Korea will threaten or use their nuclear weapon. They're not suicidal. They're clever. The only thing they have is their nuclear weapons program. They will use it to get more in return.''
「わたしは北朝鮮が核兵器によって脅したり、これを使うような心配はしていない。彼らは自滅的ではなく、賢い。手持ちは核プログラムしかなく、これでより多く(の支援)をせしめるつもりだ。』

賢い点ををのぞけば異論なし。でも対話が信条のパウエルさんらしい[いずれ6各国協議は実を結ぶ』との楽観には、お言葉ですが賛同しかねます。(了)



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