安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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無罪になったM・ジャクソンの少年趣味
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〈 Tue, 14 Jun 2005 〉


●Not Guilty, NotGuilty……全罪状無罪の評決
例によって夜、ラジオを聞きながら仕事をしていると、ジャクソン法廷の陪審員の評決がたんたんと読み上げられている。起訴状の評決が順々に無罪、無罪、また無罪と・・・ついに全罪状に対して無罪!法廷は終止静かで傍聴席はどんなようすだろう。ちょっと異様な時間がすぎた。

わたし、ジャクソンは有罪と法廷証言がはじまったとき書きました。邸宅ネバーランドに遊園地を作って常時少年を住まわせていた46歳の男が、純粋無垢ってことがありうるか!という理由で有罪と予断したのですが、みごと外れてお粗末でした。しかしおどろかない。良く似た俳優が法廷再現を演じるスカイTVをときたま見ていた印象では、検察側の証人がまいど弁護側の問いに答える様子が胡散臭い。マイケルは鳥のように首を動かすばかりで無表情。ちゃんとフォロウしているのかつかみどころがない。

●信憑性を失った訴訟人と検察側の証拠欠陥
弁護側は性的イタズラを受けたとする白血病のギャビンの母親Janet Arvizoが信用できないウソツキ、金儲けを企んだ 訴訟のプロであることをつまびらかにしようと、それが成功した。この母親は百貨店の警備員に性的暴行を受けたとして高額の訴訟をおこしたり、息子のガン治療に寄付金の口座をもっている。しかし病院での治療は全額健康保険が適用され、口座の寄付金は丸儲けだ。

どんなことでも人間を判断する基準は信頼できるか否か、信憑性がものをいう。翻ってジャクソン側はいつも家族が数人付き添っていたが、こういうのが陪審員の心証をいつのまにかよくするんでしょうな。陪審員はアジア系女性一人、ヒスパニア4人、白人7人、黒人はなぜかいない。

●健全な陪審制度
陪審員が無罪判決のあとTV会見に勢揃いし、視聴者の質問も受けた。陪審団が一致するまで7日かかった。そのあいだ陪審評決の過程でなにがあったか少しライブを見たが、最初は相当割れていたようだ。全部で10もある罪状が全部無罪と一致するとおもえない。「未成年に酒を飲ませた、AVを見せた」罪状などは子供が勝手にやったとしても、勝手にやらせたマイケルは罪にならないのだろうか。しかし全員の見解として妥協ではなくまとまった意義は大きい。陪審制度は健全。

全面無罪、M.ジャクソンがペドフィルではなかったと認めたうえでなお、個人的には疑われるような少年趣味は異常である。異常の世界に住むエキセントリックなM.ジャクソンに常識がなかったため今回の事件がおこった。無罪になった喜びがあるのかないのか、法廷から出てきたマイケルはあいかわらず無表情。つかみどころのない男である。(了)



Pnorama Box制作委員会

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