●『G４枠組み修正案』は名案
イラク石油のスキャンダルはギリシャ人の高官を一人クビにしただけで幕引きにしちゃいけません。管理体制改革案も国連改革のひとつ。ではあれど、世の関心は常任理事国入りにのみ集中している。アナンに辞めてもらうのが最高の国連改革になる！と言っておりました小生も、今月の国連総会に枠組み決議案を上提・採決したい肚づもりのアナンを静かに見守ろう。それくらいの理性というか、アナンにガマンはわたしにもできる。

G４/日独印伯４カ国のどこが知恵を出したのか、『今後15年は拒否権を行使しない、15年後に見直しましょう。現常任理事国の拒否権は見直し対象から外します』という修正案。これでどうなるかというと、まずフランスが共同提案国に名乗り出た。盟友ドイツのために賛成票は確実だが、常任から提案国が出たのは心強い。シラクはドイツの立て直しに悲壮感すら漂っている

●米、ドイツを斬る
米は支持する唯一の国は日本、ライス長官はフィッシャー外相との会談でドイツを支持しない旨明確にした。会談前にフィッシャーはなぜドイツが常任入りすべきなのか、説明する自信がないような口ぶりで、ダメもとはわかっていたが……。仏・独に対するブシュの不満もあるが、『ドイツも常任にいらっしゃい』なんてだいいち米国民が許さない。

米の見解では欧州から常任２つも出しているのになぜまた増やす必要があるのか、わたしもそう思う。ブラジル、インドは人口よりほかに資格ナシである。インドなどは9.11まで米が経済制裁していた国だ。それでかしらず、ロシアはインドを推す。

●ライバル争い
パキスタンはインドに反対、イタリアはドイツに反対、中国は捨て身になって日本に反対。ライバル意識に燃える反対は、いつまで話し合ってもラチがない。採決するしかないだろう。今の段階では日本に３分の２の賛成が得られる読み。チャンスある。

国連は各国の分担で成り立っている。人口割りでみればロシアと中国はタダ乗り同然である。敗戦国日本は常任理事国の英仏中露４カ国を合わせたより多く財政 貢献しているのをご存知か。ン、知っている？でも海外では知られていない。国連財政は日米の柱で支えられているというのに、力がないのは国民が不甲斐ない からで外交官のせいではない。（了）