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ジャファリ首相、反乱軍掃討に着手
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〈 Fri, 27 May 2005 〉
●バイバイ ザルカウイ
ザルカウイ重体、あるいは既に死亡のニュースは総合すると事実、ということで先に進もう。2週間前になるか、米・イ軍がザルカウイ派の隠れるシリア国境のアンバル州で大掃討作戦をおこなった(イラクで拘束、特別待遇の斎藤さん、2冊目5月10日) 。 『マタドール/闘牛士』と呼ばれるこの作戦はバグダッドを含む広範囲であるため何処で負傷したか特定できないが、側近二人に付き添われてラマディの病院に運び込まれ、腎臓部の出血多量で応急輸血手当を受けたザルカウイらしき人物がいた。側近は手術を断り、医者に他言すれば殺すと言い残して車で連れ帰った。この未確認情報がいまにわかに真実味を増した。ウン、あのままでは助からない。 ところでラマディの病院はもと金持ち用の大病院だったのか、破壊のあともない清潔な大病院である。ほぼ同じ頃、ヒートで重傷を負って拉致された斎藤昭彦さんは病院に連れて行ってもらえなかった。む、助かる見込みはうすい。 ザルカウイが戦場から消えたからといってイラクの治安になんら変化がない。生け捕りに出来なかった無念が残る後味の悪い顛末になった。ザルカウィ一味は首を刎ねる処刑で怖れられたが、イラクで自立活動する武装派は大小いくつもある。5月の死者はすでに600人をかぞえ、テロが減る兆候はみられない。 ●バグダッド『バルク/稲妻作戦』 ジャファリ首相は武装反乱テロと対峙できるか、訝っていたのですが、やっと掃討作戦を開始した。カーボンブが最も頻繁な首都バグダッド(人口600万)にイラク軍4万と米軍1万を投入、市外との交通をコンクリブロックで遮断し、市内各地にチェックポイント640カ所を設置。自爆テロの多い繁華街や市場に車をいれない措置だ。期間は未定で、武装派が隠れるモスクや武器倉庫を急襲する。必要あれば家宅捜査にドアを壊して踏み込みもアリだ。作戦名ははじめてアラビア語が使われ、国防相ドレミイが指揮をとる。 この作戦、市民の行動が規制され不便な生活を強いられるにもかかわらず、どうやらバグダッド市民は意外に協力的で木曜日の初日はおわった。これも武装派が一般市民を無差別にテロるようになってから可能になった対テロ都市作戦といえる。成功すれば他の都市にも適用できる。 とりあえず木曜日は容疑者11人を逮捕、晴れがましい成果ではない。数カ所であった反乱側の攻撃で死者10人、さらにチクリットのあたりで米軍ヘリが撃墜された。(了) |