安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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アフガニスタンはケシのお花畑
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〈 Thu, 26 May 2005 〉


●オピウムの季節
大麻のもと、ケシの花は5〜6月に咲きそろうう。アフガニスタンはいま見渡す限りのケシ畑が美しい季節になりました。困ったのう、花のうちに摘み取らないとエライこっちゃ。欧州に出回るヘロインの90%ががアフガン産である。市民感覚ではとても容認できない大犯罪が、カルザイ政権+米軍17000人のアフガニスタンで花開いている。

タリバン時代はイスラム原理主義・シャリア律法のもとオピウム生産は禁止され、ケシ畑は全滅した。ビンラデンのキャンプでは大麻厳禁、士気は敵ながらあっぱれでした。没収されたオピウムはタリバン政府が管理輸出して武器を調達し、ストックが尽きる頃カブールが陥落したのである。

ケシ栽培が再び広がったのはカルザイ政権から、カルザイの出身地カンダハルはオピウム根絶に失敗した5大産地のひとつ。大事な票田ゆえに手出ししない。言い訳たつか!と迫った西側メディアがカルザイ王に一喝されてしまった。高飛車な弁明は訪米中のCNNインタビューや、月曜日ブッシュとの合同記者会見で唖然とした通り。

●アラファトに似てきたカルザイ
米軍をアフガン政府の指揮下にとの要求をブッシュは拒否したが、合同記者会見で威張り散らすカルザイ大統領を絶賛したりするから支持率落ちるんです。わたし最近カルザイ観を修正して、この人だんだんアラファトに似てきたとおもう。支援をせびり、アフガニスタンがカオスになってもいいのかと脅す。自分は絶対悪くないのだ。

いわく『今年は30%のオピウム生産減少が見込まれる。撲滅専門家の予想10年以上をまたず6年で絶滅する』これみな根拠なしのブラフです。『我々の出来ることは全てやった。あとは国際社会の責任だ』対オピウム米英部隊の活動は不熱心で資金も足らないことを非難しているのですが、米カルザイの協力がいちばん足らないのではないか。

ケシ畑を稲刈り期で壊滅するくらい作業としてがカンタンだが、米軍は治安悪化を怖れて消極的。なによりケシ栽培は地域経済の問題であるだけに、単に代替作物を提供するだけでは機能しない。いまある流通インフラは固形ヘロインの密輸ルートで、そんなもん生鮮野菜やジャガイモに使えますかいな。復興事業が行き渡るまでほがらかに待てというのか。(了)



Pnorama Box制作委員会

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