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北朝鮮の核、実験はない
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〈 Wed, 25 May 2005 〉
●ヤマ場6月、こともなし
北朝鮮が核保有を宣言したのは今年2月、同時に6カ国協議の無期限中断を宣言した。5月11日、寧辺の実験用黒鉛減速炉から核燃料棒8000本を取り出し完了したと発表。もっと核バクダン作るぞという意思表示である。既に5発ぐらいプルトニウム核弾頭を持っていると、米の情報部とIAEAの分析は一致している。でも信用できない機関ですから、それより北が「ある」と言うなら「2つはある」。わたしは北に信をおきます。 昨年第3回の6か国協議から1年となる6月がヤマ場。……そういう雰囲気になっているようですが、わたしは協議に復帰もしなければ核実験もないと、これはもう1年前から動かぬ確信です。ほんとうは北の実験を切実に見たいのですが、準備完了しても実施はありえない。6カ国協議については北が復帰への条件をつり上げているので調整がうまく行っても夏以降にずれ込むだろう。 ●超えてはならない一線 北の瀬戸際外交にも超えてはならない一線があり、そこを超えれば中国、韓国の支援がストップ、ロシアを敵にまわすことになる。胡錦濤とプーチンから釘を刺されているその一線が核実験である。米は海上封鎖するので、万景峰号ほか北の船荷は差し止めされる。 北朝鮮が崩壊しては困る中・韓両国ではあるが忍耐できる範囲はある。核実験は忍耐の限度を超える背任行為、恩を仇で返す行為なのである。 昨年金正日は極秘日程で訪中し、胡錦濤から下にもおかない大歓迎を受け、支援をガッポリ貰っている。先週の南北次官級会談は6カ国協議も核も棚上げして肥料20万トンをせしめた。支援は国家存亡の命綱だ。北朝鮮はこんなオイシイ関係は壊したくないだろう。 ●『5カ国協議』提案のウラ? 日本が提案した『5カ国協議』は、本気で北朝鮮問題を解決するなら5カ国足並みを揃え、結束しようというまことに優等生の提案です。総スカンされるのを承知で提案したならたいしたハラ芸である。米中露韓に一泡ふかせました。マジで提案したとすると……ホープレス。(了) |