安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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小泉/呉会談キャンセルでトクした日本
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〈 Tue, 24 May 2005 〉


●重要な緊急の公務
呉副首相がいなければならない中国国内の緊急な公務?そんなもんあるわけない。日本の首相と会見約束を当日キャンセルせよと命令を下せるのは胡主席さま、ほかにいません。フー・ジンタオは『あんな男(小泉首相)に会わなくてよい、さよう呉に伝えろ』と、そんなところでしょう。

山崎拓さんにはじまって武部・冬柴両幹事長をご招待し、教科書と靖国にケリをつけるつもりだった胡錦濤は、手応えのないのに業を煮やしてスナッブバック(しっぺ返し)した。

●胡錦濤は靖国フラスト
新華社がキャンセル記事に関連づけて歴史問題と靖国について「小泉首相は就任以来毎年戦犯を祀る靖国参拝を行い、先週今年も参拝すると発言した」などとかなり書き込んでいる。だからこれが理由なのはあきらか。小泉/呉会談すっぽかしの理由は60%が胡錦濤の靖国フラストレ−ション、20%が呉副首相が小泉首相にいい負けしないか心配、残り20%は二人が笑顔で握手する写真はみたくもない

●珍しいことではない
トップ会談をキャンセルするのはそれほど珍しくない。橋本首相に会いにこなかったエリツィンは札付きだ。ワシントンでの会談成功に有頂天になり、帰りの飛行機で酔っぱらって泥酔、帰りに立ち寄るレイキャヴィック空港でお迎えのアイスランド大統領以下赤絨毯脇に並ぶVIPを30分待たせたあげく、とうとう降りてこなかった。外相が『大統領は足が立たず話せる体調ではないのであしからず』と謝罪。よく似た失敗をG7に初参加した村山富市元首相がイタリアでやっちゃった。

ライス国務長官は先の中国訪問で唐家旋(前外相)国務委員との会談をキャンセルして北京の教会に行きました。これも相当な当てこすりだが、内実は大事な会談ではない。小泉/呉会談もたいした意味のない外交儀礼にすぎないので、日本側が損するものはゼロである。岡田さんも損はしていない。首相の帳消し用にキャンセルされたことを名誉と喜ぶべきでありましょう。

翻って中国側は反日騒動につづいて国際社会が鼻白む材料を作ってしまった。中日関係改善の絵姿として訪日した呉さんは、これで2度と日本に来れなくなった。しかしこの人は笑わないな〜、絵姿にはならんですよ。

さて大連からモンゴルはウランバートルへ、エンフバヤル新大統領を表敬訪問する呉副首相、ロボットのように・・(了) 



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