安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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一夜に消えた湖
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〈 Mon, 23 May 2005 〉


●朝、釣りに行ったら湖が空っぽ
消えた湖の話しは多い。考古学的、地質学的な意味で、「大昔ここは海、湖であった」なんてはなしはありすぎて専門家のジャンルである。近代ではヘディンの調査で明らかにされた「さまよう湖ロプ=ノール」という不思議な自然現象が有名だが、これもかいまや過去の出来事。

19日、ロアシのニジニ・ノヴゴロド市の自治体区域で、湖が一夜にして空っぽになった。こういう話しが好きで、書き留めておかずにおれない。

バスタブの栓を抜いたように水が消えて、森の端から崖の谷になっていた。朝、魚釣りに行った村の人が、ビックリして逃げ帰った。300メートル離れたところにボルトニコヴォという村がある。『これはアメリカ人の仕業だ』。そういうウワサが村で広がったというから笑ってしまう。ワルサはすべてアメリカのせいにする八つ当たりと、アメリカなら信じられない事も出来る羨望が入り交じっているような・・ま、いいでしょう。


Photos from PRAVDA

左の写真のようにかなりの樹木が底に引き込まれていた。ご注進を受けた消防局が底を調べた結果、人間が呑み込まれた形跡はない。その時人間がいたら最後だが、幸い湖畔に家がなく人はいなかった。

ニジニ.ノヴゴロドはペテルスブルグの南東にある古都ノヴゴロドと誤解しやすい。大きな湖のそばにあり、実はわたしもそう思ってはてな? Nizhni Novgorodはソ連時代のゴルキーの別名でした。モスクワから東へ400キロぐらい、ヴォルガ川はじめ川だらけの平坦地である。

本格的な地質調査は行われていないもようだが、地下水の流れに落ち込んだか、大きな洞穴に吸い込まれそこから地下リバーに流れていったと考えるのが妥当。この辺には地上の川だけでなく地下を流れる水路が入り組んでいるといわれる。自治体の役人は70年前にボルトニコヴォの村で数件が地下に陥没したと言う。洞穴も多いようだ。(了)



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