安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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パンツ一枚の健康サッダム
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〈 Sat, 21 May 2005 〉


●ハダカとスポーツの『ザ・サン』紙
パンツ一丁のサッダムのカラー写真が英米の大衆紙に掲載。『○○でもおいらでも、風呂に入るときゃみな裸』小さい頃囃していた戯れ言を思い出しました。20日、イギリスのタブロイド大衆紙「ザ・サン」とニューヨーク・ポストは表紙に全面にカラーでズボンを手にする白パンツ姿、ほかにベッドで眠るところ、ショーツで靴下を洗う姿など、サッダム・フセイン元大統領の拘置所生活を載せた。両紙ともメデイア界に君臨するマードックが社主で、ハダカとスポーツの大新聞である。。

さて、一見して、サッダムの体はよくフィットしている。68歳にしてはリッパなものだ。これがなぜスキャンダルなのか。元気なサッダムは虐待されていない証拠、よいニュースと思わないでもないが、公表することは囚人、捕虜の人権に関するジュネーブ協定に違反しているおそれがある。サッダムの弁護団は名誉毀損で慰謝料を請求するという。

さて、この写真どこから入手したのか、大金を払ったのはサンが認めている。買った写真は他にもありサン紙は土曜日も数枚見せると強気である。そうすると風呂に入っているところ、粗末な食事をしているところなどが紙上に出るかも。見たくもないが。

これら写真は1年ほど前のものといわれ、ビデオから起こした可能性が高い。専門家によるとサッダムの独房生活はすべてのアングルから監視モニターされ、24時間録画されているので、おそらくそのビデオがもとになった。

●ゴシップが嫌いな人はいない
アルグレイブの虐待写真では国防省が非難され、ラムズフェルドは袋だたきにあったが、今回はそういう上の方まで責任問題がおこらない。コーラン冒涜スッパ抜きは誤報ということにして国防省は災禍を免れた。今回はそれより矮小で、ブッシュはイスラムの抗議騒動に繋がらないと楽観的だ。

誰がサッダムのパンツ姿映像をを横流ししたか、それを買って公開するするスキャンダル・メディアに問題がある! かっこよく切りすてるのもよいが、つまるところゴシップ好きの大多数読者がいるかぎりなくならない。ゴシップが嫌いな人はいないそれが問題だ。

アラブ系の各紙はサンの写真を転載、右にならえの報道ぶりに惑わされず、アルジャジーラはこの写真を放映しなかった。『写真はイラク人を卑しめる。報道価値はない』という理由。額面通りにとりたいが、特ダネ抜かれた悔しさが見えないでもない。(了)



Pnorama Box制作委員会

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