安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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『ピアノマン』ミステリー
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〈 Wed, 18 May 2005 〉


●ナショナルデー
5月17日は当地の独立記念日、この国のナショナルデーでした。今年はスウェーデンとの同君連合を解消して独立100年になります。両国の指導者が良識を働かせて武力衝突を未然に防ぎ、話し合いでノルウエーが独立国家となった。世界のお手本と胸をはっていますが、当時は北海石油をしらなかったからでしょ。

例年のように我が家に親戚あつまり伝統のポリッジで祝う。体がなまっているのできょうは閑話で手抜きします。

●話題のピアノマン
イギリスで話題になっている正体不明の男性『ピアノマン』について、4月7日に保護されてから一月以上、写真付きで一躍有名になったしもかかわらず、このピアノのうまい男の素性が判明しない。

この事件、かいつまんで事情を説明すると、ケント州のビーチをずぶぬれのタキシード姿で彷徨しているところを保護された喋らない男、年の頃は20代か30過ぎたくらいで髪はブロンド。とにかく喋らないので名前、国籍を書かせるつもりで紙を渡したら、グランドピアノの絵を書いた。その絵が線を重ね重ね病的に克明で、フタを開けたピアノの構造までビッシリ描く。そこでピアノがある病院付属のチャペルに連れて行ったところ、おどおどしたこの男が心静かに弾きだした。4時間延々。仰天したカウンセラーが『すわ、プロのコンサートピアニスト』? なんせタキシード着ておったから。で、病院側が『ピアノマン』とよぶこの精神病か記憶喪失症の名無しさんは大きな話題になったのでした。

●不法移民の新手、狂言か
さてこの事件、興味に水を差すようですが、狂言詐欺かもしれんぞ。まだそういった報道はないが肚におもっている人は多いはずだ。わかってしまえば「なーんだ」……ミステリーでいられるうちが花とおもえるフシが多々あるのです。まず着ていたタキシードなど衣類のラベルが全部引きちぎられていた。持ち物からIDに結びつくものがないとうに誰かの意図的なしわざである。

移民の新しい手口でありえる。いっさい口を利かないことでカウンセリングが不可能。またポーランド、ラトビア、リトアニアなど東欧各国の通訳で試しても会話成立しなかった。無反応ににしておけばミステリーで通せる。国籍不明者は本国送還できないのでこの手をつかう難民は少なくない。ピアノに向かっていないときは怯えるようなのに食欲もあり健康である。さよう、オレオレでも無言でも詐欺師は健康だ。

ピアノの腕前であるが、はじめはびっくりしたけれど結局上手なアマチュア程度と格落ちした。チャペルの牧師によるとレパートリーは多くないらしい。ジョンレノンのものとか、白鳥の湖から弾いているそうです。そうだろう、実力があれば狂言詐欺などしなくていいもの。

これまで寄せられているたくさんの情報を整理して、『ピアノマン』が特定できるかどうか、特定できたときは狂言がばれる時。ちと可愛そうだな。そう思うのでミステリーのまま、いつか引き取り手ができて退院できればよいのだが。
(了)



Pnorama Box制作委員会

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