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両陛下のノルウェー公式訪問
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〈 Fri, 13 May 2005 〉
●拝謁を賜る
アイルランド公式訪問の次はノルウェー、プログラムを見ると大変過密なプログラムで立ちっぱなしの行事も多い。体調がすぐれているとはいえない両陛下がよく倒れず、しかもにこやかに全日程を終えられた。コラム第一回を美智子様からはじめたファンの小生はほっといたしました。 20年前、皇太子時代にわが町ベルゲンに来られた際は、ホテルに入られる時迎えただけでしたが、今回は11日午後、オスロで両陛下に拝謁を賜ってきました。大使公邸で在留邦人およびその配偶者27人に混じって家内と並ぶ。順列は3番め、2番めの元在東京ノルウェー大使は両陛下と握手したけれど、奥方(邦人)はお辞儀。うちは家内がお辞儀すると前もって決めていたので早いとこお辞儀してなんとなくギコチナイ。 齋賀大使がそれぞれを紹介して言葉をかわしながら一巡。そのあとは自由にみんなと気軽に話しをされる。都合40分ばかり。我々は、ま遠慮する方だから手短にすませるのですが、名札に何をする者か書いてあるので、いきおい仕事のことをたずねられそんなことを説明したりして、わたしとしては美智子気の好きなこの国の文学や音楽を話題にできなかったのが残念。 資源地図を自然地図とき聞かれて、いえシゲンです エ? 石油や……。すると皇后様はNatural Resources ね。はい。勘のいい方です。家内はずっと日本語で通していたようだが『お目にかかれて光栄です』てなこともいっておった。 ムッツリしている随行団長の森喜朗元首相と二言三言、まわってきたハクセンコウの和菓子を口にいれる森さんに『先生は甘党ですか』と問えば、『疲れるんでね、甘いものがいい』。しかし両陛下の重労働にくらべると雲泥の差にみえるが、やはり気をつかうらしい。 このあと7時半から市庁舎で天皇皇后主催のレセプションが市庁舎でおこなわれ、一泊するホテルに戻って夜のレセプションのため着替える。男はブラックタイなのでタキシード、女性はドレスという300人ほどの立食パーティーです。病気の国王をのぞいてノルウェー王室メンバーほかボンネヴィク首相や外相、元首相、政府閣僚の半分くらいやTVでおなじみの文化人がわんさといました。在留邦人は40人くらいか、あとは宮内庁と自衛隊関係の随行トップたちとプレス。もっとオスロ在の日本人呼んであげればいいのに。 わたしも家内もこの国の皇太子夫妻やソニア妃に興味ない。両陛下とも先にお会いしたのでお邪魔しない。それよりハラが減っているのでもっぱら和洋料理をまんべんなく食べて、目の前に立っていたバステルセンという捕鯨賛成の一匹オオカミ議員さんに『クジラがないなんてけしからんじゃないか』と話しかけると大笑いしてました。 コーレ・ウイロック元首相に家内が1967年に神戸の陶器屋さんで偶然おめにかかりましたねというと、明晰で記憶力のいいウイロック氏は67年だと通産大臣で日本に行ったときだったと即座に答える。政界引退して長いランスレット氏に、「わたしが初めて当地に来たときたしか文部大臣しておられました」といったときも、「ああ、20年前は文部大臣として皇太子時代の天皇をお迎えした」とその時代のことがスラスラ次々にでてくる。不思議だな。政治家の頭は編年体にインプットされているらしい。 最後に天皇のスピーチについて。宮中晩餐会と首相昼食会はわたしらお呼びでないが、出席した名誉大使のイルゲンスさんは天皇のスピーチになんともいえない荘厳を感じたそうです。天皇の公式スピーチは日本語なので英語に翻訳されるわけですが、話し方に威厳がありさらに、参会者、宮中晩餐会では220人全員に握手して挨拶されたことに驚いていた。さもありなん。20年前皇太子として宮中晩餐会でスピーチされたときは英語でしたが、TVで放映され、はじめて聞いて驚いた。さすが威厳ありました。今の皇太子もウマイ。皇室外交のよい担い手です。(了) |