安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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イラクで拘束、特別待遇の斎藤さん
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〈 Tue, 10 May 2005 〉


●シリアに近い砂漠地帯に展開
米軍は反乱集団ザルカウイ一味のベース、またシリアから侵入するジハード兵の密輸ルートになっている砂漠地帯を戦闘ヘリや戦闘機と連携して大規模な掃討作戦を行った。攻撃は土曜日にはじまって反乱軍100人ちかくをキルしたというから、かなり激しい戦闘である。米軍の犠牲者は海兵隊二人、実際はもう少しいるかもしれない。

このアルジャジーラ砂漠と呼ばれているところはユーフラテス川に面しているので、木もあり村もある。日曜日は川に浮き橋を架けて北側に移動するのに手間取ったという。拘束したザルカウイの幹部からえた情報をもとに川沿いの村々やオベディという町、国境の町カイムなどで成果をあげるようになった。

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●特別待遇の人質斎藤さん
一方で、反乱一派の「アンサール・スンナ軍」がネット上に日本人斎藤昭彦さん(東京出身44歳)を拘束したとパスポートとIDカード公開した。ネットの声明では、5人の外国人コントラクターとイラク兵士12人のコンボイ(車列)をヒートの町のちかくで待ち伏せ、激戦の末重傷を負った斎藤さん一人をのこして全員キルしたという。

最近の通例からでは重傷でなくても助けはしない。2週間まえ米軍1000人規模の攻撃のさい民間ヘリが反乱軍に撃ち落とされ、軽傷を負った米人を立たせて射殺する場面がやはりネットで公開された。あのやり方を考えると、斎藤さんは特別待遇です。理由は身代金目当てだろう。

現在この地域は米軍が制圧しているが、斎藤さんが乗ったコンボイは今回の米軍大作戦の一環だったのか、気にかかる。順次明らかになるだろう。請負の警備会社はアメリカではなく、本社はキプロスに、活動中枢はロンドンにあるイギリスの会社 Hart GMSSCO というリスク・オペレーションの大手である。世界中でリスクのある警備を請け負い、イラクではイラク人1500人を米軍施設の警備や、民間企業の警備に雇用している。この会社の業務に拉致解放、身代金交渉というのもあるから笑わせる。

●発足したジャファリ新政府
反乱武装派集団はスンニの地域であるアンバル州にいる。そのため正式に発足したイラク政府の国防大臣はンバル州出身のスンニから選ばれたのであるが、果たして武装派を従順にできるかどうか、掃討して武器押収するしかないのではとかねがね思う。

発足したジャファリ首相の移行政府だが、閣僚割当がシーア17人、クルド8人、スンニ6人と、やはりスンニが6閣僚を貰った。もう一人7人めに人権大臣に指名されたスンニが殊勝にも割当オーバーと断ったが、なにこれは4副首相の未定一人の席になんとしてもスンニを入れたいからにほかならない。(了)



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