安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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見切り発車のイラク政府、スンニが6ポスト?
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〈 Wed, 04 May 2005 〉


●歯抜けの政府、見切り出発
3日ジャファリ首相率いる移行政府が正式に発足した。先週発表された「歯抜けの」閣僚名簿のまま見切り発車したのは、規則によって3ヶ月以内に移行政府が樹立できない場合、総選挙をやり直す事になっているからでしょう?。選挙後の日程についてよく報道された『3ヶ月以内に移行政府』である。

厳密に言えば閣僚ポストが空席のまま新政府を認めてよいか、疑問だらけなんですが、この期に及んでそのことに言及する報道はまったくない。ま、だれも選挙をやり直したくないから代行方式で異論がなくてよかったのですが、最重要の国防相と石油相など6閣僚が代行するとは、スンニのヤワル副大統領は発足式をボイコットし、民主的組閣とはほど遠い出発である。

先週の閣僚発表でお腑に落ちないのはアラウイ前首相の『イラク人名簿』が40議席獲得したのに数に見合ったポストが得られず野党にまわったこと。宗教シーアのジャファリと非宗教シーアのアラウイが袂を分つ結果になった。スンニ-クルド-シーアの陣取りに隠れて伝わってこないが、ジャファリが与党内少数派閥を排斥したとみる。

期待通りゼバリ外相が留任して、ホっとしたのはそれくらいか。ジャファリの国防相代行じゃ反乱軍にナメラれる。チャラビが石油相代行なんて、この人はお金に近づけると危険じゃないのか。スンニが少数入閣したので、ボイコットした割にはトクしたな〜くらいに思っていたら、スンニは不満やるかたない。少なすぎるという。

それでたちまちテロが続発し、先週の歯抜け閣僚発表以来120人の犠牲者が出た。ザルカウイや潜入ジハードもあるけれど、スンニ/サッダム残党の武装派がテロ続発の正体である。目的はジャファりにもっと多くスンニを登用させることにある。

●スンニ6閣僚パック
さて、ジャファリはスンニに副首相と6閣僚を割り当てる案で調整しているとつたえられる。国防相にスンニの軍人 Ahmad al-Reikan ほか、、産業鉱業相、自治相、文化相、人権相、婦人相。スンニの国防相なら武装勢力を押さえられると考えているが、身内を護ってなまぬるい対策にならないか。どうもよくわからない。スンニ報復に血道をあげるやもしれないシーアの国防大臣任命は、スンニの抵抗が激しく困難というが、ジャファリという人は首相として実務能力がないのでは?

スンニ武装派はシーア市民をテロりつづけ、選挙参加をボイコットしたスンニ派が議席も無いのに6閣僚1副大統領1副首相を得るとすれば、いったい選挙は何だったのか。イラク流デモクラシー? 大アヤトラ・シスタニ師は最近ウンともスンとも言わないが……。(了)



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