安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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熱烈歓迎・連戦主席和平之旅
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〈 Tue, 03 May 2005 〉


●こんなハズではなかったが……
野党の党首だからヒマまかせに長い旅行できる連戦は、26日から中国数カ所を行ったり来たり夢の10日を過ごしました。赤絨毯の熱烈歓迎を受け、墓参りに涙し、故郷本土で一躍時の人になった外省人として、本懐を遂げたと申せましょう。

そのまま本土に引っ越しすればタダの人、デモの待ち受ける台北空港へご帰還せざるを得ないだろう・・・と期待していたら、風向きが変わってしまった。連戦さんは大手を振って帰ってくる。反対より歓迎のデモが勝るようすです。

李登輝:『陳水扁はダメだ』。人の機微に鈍感なものほど衆におもねる。衆の心変わりはタラップから赤絨毯に降り立った時からすでに始まった。野党党首に赤絨毯とは与党政府にたいする冒涜である、てなことより、平和を象徴する美しい絵にほれぼれ見とれる、衆の見る目はそのあたりでしょう。連戦のセンチメンタル・ジャーニー心うたれ台湾の人々、裏を返せば台湾の衆は中国共産党にコロっと丸めこられたといえる。陳水扁はわかっていながら国民から乖離するのを避けるため、野党連戦の訪中に『ご苦労さん』というしかない。『李登輝先生お許しを』!

「国共合作」から「国共会談」へ、中国国民党と,中国共産党がふたたび握手したとなれば親しげに肩抱き合う空気がうまれる。たとへ実体はなくてもです。実質的な討議はしない、互いに刺激しない原則のうえでの会談、演説のかずかずはしたがって『平和ぼけ』の論とおなじ。5つの合意はその典型。統一か独立かの方向性を示さず、700機の台湾向けミサイルやanti-secession law 反国家分裂法はすべてフタをするとこうなる。

●デモ弾圧と歴史批判温存
中国衛星放送は反日デモを一度も見せずに、日本の間違った歴史観について伝えるのみでしたが、連戦訪中は連日何度も放映して中台友好をとりあげていた。そこまでやれば、評判をおとす中国の治安に事あってはならない。中国はあらゆるデモを取り締まるのは確実で5月1日、4日さらに2番煎じで宋楚瑜が訪中する5日からしばらくは反日デモがみられなくなります。

中国国内ではそうだが、海外向けの対日歴史批判は続いているので中国指導者の対日観に変化はない。海外の反日学者の弁を伝えるのに熱心であり、台湾問題に口を出すなと警告しています。南京大虐殺記念館増築プロジェクトのため解体作業が始まり、2007年に完成する。展示内容は変わるか:虐殺された中国人の数が30万にとどまるか、40万人にふくれあがるか、20万人に減るか・・中国国内事情による今後の日中関係が左右する。(了)



Pnorama Box制作委員会

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