安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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チェコの物価安はいまのうち
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〈 Wed, 27 Apr 2005 〉


●安い物価と狡い小市民
プラハの物価は安い。初日の夕食には念のため「英語のメニューあります」と貼り出されたレストランで食事。さっそくブドワイゼル(バドワイザー)を円筒ジョッキでグイとうまい。デンマークのよりこちら本家のほうが味がある。飲みつつ値段を聞くとベルゲンの6分の1だ。ますますうまい、2倍うまい。

家内は肉でも魚でもかならずサラダを一皿つけるのですが、ボーイが「それは適当ではありません」。どして?「サラダは料理に合わない」と吐かしおる。どおうして?『ビーフのソースと取り合わせがよくない」と宣うた。あきれた家内が "I want it. Bring it to me" ボーイは困ったように「かしこまりました」。迷信ではないが、この国には古いシキタリが生きていることを、その後もかいま見る機会があった。


* ヴァスラフスケ通り、正面は国立博物館

持ってきた料理もうまい。もってきたお勘定がまた非常に友好的だ。Uさんが言っていたとおり、二人で食べて飲んで5千円。もちろん服装を問われる高級な場所もあるが、ジーンズのまま入れる白テーブルで雰囲気がよくしかも安いところがたくさんある。これで魚がうまいと御の字ですが、チェコには海も大きな湖もないので避けた方が無難でしょう。ネットカフェはあったが魚屋さんはひとつも見なかった。

で、店を出てから、安かったねえっとしげしげレシートに目を通すと、注文しなかった飲み物が最後にふたつ200円くらい、かわいらしく付け足していた。コスっからいところもあるのだ。ある時露天市を覗いていて、パンツ3枚150円に抗し難く、話しのタネに買う。後日サイフに英独のコインがかなりあるのに気がついた。パンツのおつりをごまかされたのでした。

たいてい地下鉄駅にある市外のスーパーへ行くと、値札はさらに安く、1リットルの箱入りワインが200円たらず、目からうろこですわ。パンやチーズ、ハム、焼いたソーセージと水、果物を買ってTV見ながらホテルで食べるのも気楽でよい。箱入りワインは香りこそ無いが飲める味でした。文句を言ってはぶどう摘みの人たちに申し訳がたちません。


* 左側にアストロ時計がある新市庁舎、

●チェコ経済は伸びる=お得旅行はいまのうち
しかしこの物価安はそう長く続かないだろう。経済成長は3%と少ないが、投資先として有望な国である。チョコの工業力、機械技術力は昔から定評がある。たとえば実家は現在3代めの印刷業でして、40〜50年前はドイツとならんでチェコの輪転機が日本製より優秀だった。ハイテク産業構造になってから国営だった工業力が衰退したが、裾野の広い熟練労働者がいるチェコは欧州の工場として発展するはずだ。

ここではスコーダのなんと多いことか。安かろう、悪かろうと評判の悪い車だが、民営化されVWの傘下にはいって技術力をつけ、輸出巻き返しをはかっている。わたしは車を運転しないのでオンチですが、黒塗りの大型スコーダは見た感じ、メルセデスみたいでだな。この国のGDPは一人当たりロシアの倍ある。旅行者が感じる物価なんてのは両替レートの問題に過ぎず、美しく安いプラハ旅行はみなさんいまのうちですぞ。(続く)


* アールヌーボーの模様で彩色したビル、凝った化粧のビルが多い。



Pnorama Box制作委員会

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