安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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プラハの春を散歩
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〈 Tue, 26 Apr 2005 〉


4月19日に格安飛行機の直行便でベルゲンからプラハまで2時間ちょうど、ロンドンへ行くのとかわらない。ほぼ真っすぐ南下するので時間帯も変わらない。かわるのは温度……それを楽しみにやってきたのにあいにくシベリアの寒気が流れ込んで夜は零下でありました。天気予報はあたった、毎日ワタいれジャケツで陽当たりを歩く。

首都プラハには一つしか国際空港がない。その空港に到着して眩しい外に出ると、数本の小さな桜並木が濃いピンクに満開、やはり春はきていました。さて、町までどうやっていくベシか、シャトルバスが市内まで約2千円。とりあえず例によって一週間分の交通カードを買う。1200円でおつりがくる格安。これでバス、市電、地下鉄が帰るまで乗り放題なんだからキチガイ沙汰だなもオ。買った案内所でホテルまでどうやっていくか尋ねると、市内から遠い安ホテルなのに案内嬢は知っていた、即座にバス地下鉄で乗り換え地点3カ所にシルシつけてくれました。

ながながと書いたのは、この情報は貴重とおもうから。荷物が重くてという方はタクシーまたはシャトルバスとタクシーでホテルまで奮発しなければなりませんが、小さなバッグで車付きなら公共交通機関で問題ない。つぎつぎ発着するし、混雑していない。清潔で道路事情もとてもよい。しかもタダみたいに安いのです。わたしがベルゲンで街まで往復するだけでバス代千円ですからね。

チェコはNATO のメンバーでEUに正式加盟してから一年になろうとしている国である。かのチャスラフスカが東京オリンピックで活躍した頃とは違うのであるが、雰囲気は共産国のままだ。広告が少なく、花が見当たらない。公園は沢山あるが、芝生と灌木と樹木でなりたっている。花壇があって季節の春夏秋と花を植え替えるような面倒なことはしなくてすみ、噴水がなければ掃除の手間も省ける。潤いがないか、ふむ、しかし合理的だ。

*プラハ城下の街並

市内広場の一部にチューリップが植えてあるくらいで、だいいち花屋さんが目につかない。北欧の住居には欠かせない窓際の鉢植えがないんだ。だから住宅地や丘に咲く白い木々がよく映えてしっかり季節感を感じさせてくれます。

街がきレイ。ロンドンのようにゴミが散らばっていず、歩道は丁寧にキリコ石を敷き詰め、手直し工事をあちこちでみかけた。工事と言えばそれくらいで、大きなビル群や地下鉄や街改造の建設工事がない。ほとんどない。上海人なら死んだ街かとビックリするかもしれないが、静かでいい。道路にチューインガムがこびり付いていないのがウレしい。実に嬉しいのだがそういう気持ちわかってもらえるかな。

*モルドウの観光船

さて、プラハの人々ですが、平均的に質素で無表情、はっきり言って個性が感じられない。長い共産主義の時代に育った倣い性ですから無理もない。そのかわり押し付けがましいところがなく、市民生活のモラル・道徳が程よく保たれている。例えば、市電の座席が両側に一列しかない通勤車両が多いのすが、老人(元気でも)が乗ってきたりすると必ず若い子がさりげなくず席を譲る。これって、北欧ではほとんど消えてしまった美習です。

交通機関は切符をタバコ屋さん、キオスクで売っていて、欧州でよくあるように回数券なら最初だけ車内の差し入れ口に入れて日付印を押すだけで、誰もチェックしない。半分以上が払わずに乗っているそうな。市民の足として無料サービスを想定している。共産主義のいい残骸です。

*右はスメタナ博物館

チェコの失業率は10%を超えている。ただ乗りとおぼしき落ちこぼれやアル中さんが結構いて、見ていると案外おとなしい。他人に迷惑をかけない、社会一般に律すべき行動許容範囲内である。旅行者が心配せずに歩ける街プラハ(続く)
   



Pnorama Box制作委員会

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