冒頭すこし前回と重複します。
●中国歴史家の偏執的な日本感
対応というのはあくまで国際社会に対してであって、中国と対話で歴史教科書問題を解決するなどとてもできる話しではない。よした方がいい。中国歴史学者の批判をよむと、要約こんなぐあいです：『反動的でバカげた新教科書は戦前の軍国主義の焼き直しであり、皇国の日本人は他のアジア人に優越すると定義している。日本人と将来のこどもたちを戦争に駆り立てる危険な本である』。現実離れした読み方するんだな。中国知識人の対日認識はこの程度。いまの日本のガキッコたちはプロレスごっこはできても世界でいちばん戦争のできない人種ですよ。

また 人民網日本語版」2005年4月7日には：＞中国社会科学院、北京大学、中国人民大学、首都師範大学、中国人民抗日戦争記念館、中国共産党中央党史研究室、中国史学会などからの歴史学者が6日、北京で座談会を開き、日本の文部科学省が5日、扶桑社の「新しい歴史教科書」（新しい歴史教科書をつくる会編）を検定で合格させたことに抗議した。
中国の歴史学者は、扶桑社の「新しい歴史教科書」が他の7種の歴史教科書と異なり、日本政府がかつて提起した、教科書検定において国際理解の角度から近隣諸国に考慮して近現代史の史実を処理するという原則（近隣諸国条項）に違反していると考えている。これは日本政府が引き受けるべき国際的義務を放棄したことを意味する。＜

ウヘー、近隣諸国に考慮してだと？愛国反日教育を徹底し思想統制を律している国がどのツラさげてこ言えるんでしょうね。国際的義務を放棄ね〜、だから国連常任理事国の資格ナシちゅうわけですか。

●中国へ情報を伝える難しさ
文言ばかりか、抗日60周年を記念して各地の抗日博物館を化粧直し、南京虐殺の博物館を拡大改装する。反日で言行一致するこんな相手には何を言っても『反省がたりん』と怒鳴られる。それなら歴史問題対話をしばらくあきらめて、日中国交回復時の共同声明や78年の平和条約とか、南京事件を伏せた当時の中学教科書が日中間で問題にされなかったことなど、原点に立ち戻って論理を進めるのが得策とおもう。

賠償金の代わりにODA開発援助をいまもつづけていること、その額250億ドルにたっすることなど、中国人に広く知ってもらう方法はないものか。誰でも正確な情報が得られる社会は中国に存在しない。だからこそ国際社会へ働きかけよようと思うわけです。

左寄りの軍部批判で検定に落ちた74年発行の家永日本史をホコリを叩いて開いてみると264p、満州事変勃発の経緯を＞日本は中国の近代化を助けて、平和のうちに利害の調整を行うことに失敗した。＜　家永三郎でさえ中国に対して反省しとらんですよ。合格教科書は推してしるべき。ま、これは高校用教科書だが、中学用はさらに明るかった。そんな教科書を中国側はなんら抗議してこなかったが……使い物になりますよとご注進におよんだおバカさんがいて……そのバカはまだ死んでいない。

●中国人みながクソッタレではない
日本発のジャパンタイムスや英語版が、閣僚の発言を伝えることに落ち度はないが、論説、主張が不足している。ジャーナリストが拝借して引用したい英文記事がないのです。よい新聞なのに討論ページの質が悪く、そのなかでひとつ目を引いた中国人の書き込みに救われる：
Not all chinese are bullshit
I am a Chinese. However, I don't like the demonstration at all. Japan already apologized about war many times and they also payed lots of money to china. They are supporting China a lot. We shouldn't continue to have them pay us, because we should stand by ourselves without Japanese support.
We know we killed lots of innocent Japanese people after the WW2. Many of my friends have similar idea with me. So don't think all the chinese are bullshit.
And I want people to understand that we don't really have chance to speak up these kind of thing in China.
Again, demonstrators are just only few crazy people in China.
（了）