安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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中国反日デモの国際的効果(2)
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〈 Tue, 12 Apr 2005 〉


●海外メディアに微妙な変化
週明け月曜日の北京、広州は昨日の反日騒ぎが何処へ消えたか、拍子抜け。その筋が政反日デモ規制と警備強化に本腰をいれたので、9.10日をヤマ場に平静をとりもどしたようだ。海外報道はまだ日曜の暴徒ぶりを報道しているが、マイナー扱いか当地ではもう報道されていない。

特派員としては3分ぐらいでもせっかく編集したニュースをボツにしたくないので配信するのしょうか、2番煎じの方覚めた見方で内容はよい。オヤっと思うぐらい中国見解をなぞる記事・報告は影をひそめ、たとえば共通する視点は「アジアの2大パワーが、日本の国連常任理事国入りをめぐって激突する構図」。反日の理由は半世紀前の歴史解釈でも東シナ海でもなんでもよいのである。

また、CNNのシューバートは扶桑社の教科書を見せながら、内容概略と実際の使用率を喋っていたっている。彼女はスマトラ地震現地入りして日本の救援隊の活躍を見てから少し日本批判が和らいだ感じがする。

●イメージ落とした中国
中国がデモ規制をはじめたのは、世界に流れた映像が親中反日に寄与しないと結論づけたからである。喜んだのは韓国と北朝鮮だけだった。交戦中でもないのに、国旗を焼いたりウインドウを割る狼藉、公館や企業を保護しない国が好かれる道理はない。もし反日デモが整然と行われていれば規制するする必要もなく、事態は日本に深刻な国際世論を呼び起こしたかもしれない。この程度の被害で日本のイメージを損なわなずにすんだとなれば、狼藉者に感謝したいくらい。

さて、中国外務省は11日、人民日報日本語版によると『中日関係に今日このような局面が現れていることの責任は中国側にはないことだ。日本側は、侵略の歴史など中国の国民の感情に関わる重大な原則的問題に真剣に対処し、適切に処理するべきであり……』としているように中国の立場に変わりない。論点はなんら解決していない。次回は暴徒化しない官製デモでゆさぶりをかけてくるやもしれず、その対応を練っておくにしかずです。

●中国歴史家の偏執的な日本感
対応というのはあくまで国際社会に対してであって、中国歴史学者の批判をよむと、『反動的でバカげた新教科書は戦前の軍国主義の焼き直しであり、皇国の日本人は他のアジア人に優越すると定義している。日本人と将来のこどもたちを戦争に駆り立てる危険な本である』という、現実離れした読み方するんだな。いまの日本のガキたちはプロレスごっこはできても世界でいちばん戦争のできない人種ですよ。

また日本でもどこの国でも本屋にゆけば歴史書は硬派、左翼系と多様な歴史書が扶桑教科書の数百倍あるだろう。教科書もまた多様でいいのだ。人間は教科書だけで歴史を学ぶのではない。ところで日中韓の歴史の先生が相談して作る教科書がちかく出来るそうです。中韓の歴史が日本語で書かれた教科書、でしょうね。(了)
   



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