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中国反日デモの国際的効果(1)
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〈 Mon, 11 Apr 2005 〉
●3面記事からメインニュースへ
暴力デモは写真映像入りで格好の題材になる。10日は当地のTVで町村外相が王毅大使に抗議する声を字幕入れするのを手伝う。翻訳は電話で5分もかからないが、ベルゲンまできたかという感じ。 国際メディアで報道されるといっても、イラクやパレスチナのような持続的なニュースでないためお手軽で短い。特徴は表層的、北京駐在記者の報告、でなければ中国メディアの受け売りである。東京駐在員発でさえ中国侵略戦争を美化する教科書云々について秦剛報道官や、堀之内公使に伝えたアジア局長-崔天凱の発言を鵜呑みにした見解を発信するしまつである。 ●国際記者が中国側見解にたよるわけ そうなると日本側のいい分はまったく報道されないがこれはどこに原因があるのか、もちろん政府の対応がありきたりで反論しないから書きようがないのである。政府の発言は「小事より大事を、中国指導部の冷静な対応を、検定は取り消さない、日系企業や大使館、邦人の保護、破壊活動に謝罪と被害の賠償をを要求」、という順序でいつまでたっても議論に加わろうとしない。由々しい問題なんて頬かむりしてはダメです。謝罪要求は同日「責任は中国にない」と中国外務省の秦剛報道官にそっけなく一蹴された。 日本側が中国社会の一般的なおぞましさを強調して反撥したり、日中関係改善をネンブツのように復唱しているのは論点をすり替えている。これをわたしは「自閉的対応」とよんでいる。反日心理の底流を分析するのも結構ですが、これでは国際的な説得力は望めない。中国の見解が欧州まで定着する惧れなきにしもあらずとしておこう。。 扶桑社の教科書を検証しているのか疑わしい見出しが、「歴史を洗ってもウソは消えない」、「白を黒に、南京大逆説否定」とか、尖閣諸島沖採掘に至っては日本側が調査を開始盗掘しようとしているとサカサマの非難をしている。 ●日本政府は具体的な事実説明を こういう言いがかりを訂正する説明がむずかしいとはおもわない。中国側に受け入れられなくても問題の部分を ○正しく中国語に翻訳 ○扶桑社の教科書が実際に使用されるパーセント ○文部省の検定方針 ○過去村山総理から天皇まで何度も遺憾表明と謝罪を重ねる ○靖国参拝と軍国主義の結びつき希薄な世論調査の結果……などおもいつくだけでいくらでもある事実を、外務省発で記事にしやすいよう明らかするだけでバランスのとれた国際報道に役立つ。国益を考えましょうよ。(つづく) |