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プリンスの結婚式とポープの葬儀
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〈 Tue, 05 Apr 2005 〉
結婚式の先約があって急な葬式と重なれば、結婚式に出るのが儀礼。それが法王の葬儀となればそうもいかなかった。尊敬をうしなったチャールス皇太子に肩入れしたい。
チャールスと息子たちは例年のスイスバカンスを切り上げて帰国、カミラさんはスキーができないので家で式の準備などしておりました。で、王室と相談してカチあった金曜日の結婚式を土曜日に延ばし、チャールスは自分の結婚式だった日に、バチカンでの葬儀に女王代理で赴く役回りになった。ブレア首相もカンタベリー大主教(式の後の祝福セレモニーを司式する)も法王の葬儀列席を優先したから、チャールスとしては、ダダこねてもはじまらない。まここはグチをこらえて耐えるんですな。 ブッシュ、シラク、シュレーダーが参列するからには、ブレアは抜けるわけにはいかない。としても、チャールスは次の国王だぞ……イギリスは英国国教会・アングリカンであってカトリックではない。すこしは国民に弁明するべきだが、その必要を国民が感じないまでにプリンスは重きをおかれなくなってしまった。 故法王のような世紀の巨人ではないけれど、あたしゃチャールスが好きでね。物議をかもした建築、教育についての発言に私は賛成、そして平和を希求するなんぞと言葉を飾らない。ガラでもない美辞は言わない誠実さをわきまえている。 スイスでの記者撮影会で知らぬ間に録音された愚痴なんか、特におもしろい。両側の息子に小声で『ひでえやつらだよ、あいつ(BBC記者Nicholas Witchell)にゃまったくガマンならん、イヤなやつだ』とつぶやいた。何がわるい。高貴なものいいではないが正直で何処にも偽善がない。これよりさきカメラ陣をまえに、息子とこんな会話がある。ふつうの親子だ。 Ch:どうかな、肩に手をかけた方がいいかな。(遠慮がちに後ろに手をまわす) 上の子:(それには答えず)わらって、わらって。 下の子:父さんのださいゴーグルはずしたら、かっこわるいよ Ch:キツイこといわないでよ、そんなふうに言われたら……使えないじゃない。 下の子:なにか質問してるよ そして例のつぶやき:I hate these bloody people...I can't bear taht man.I mean he's so awfull, he really is.と、このスキャンダルであるかないかの評判をまたおとした。法王の葬儀で『おまえなんかこなくていいんだ」とヤジがとびそうです。もう少しの辛抱ですな、チャールス殿。(了) |