安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ライス国務長官『コンパッションの同盟』
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〈 Wed, 23 Mar 2005 〉


●ライス長官訪日の皮切りに上智大学で講演、日米関係を: 
Our alliance is not just about security and stability. It is an alliance of compassion. 
と表現。『日米同盟はたんなる安全保障や安定維持の同盟にとどまらず、コンパッションの同盟です』。このコンパッションによる同盟(人情同盟)とはなにか。どこかナニワ節的だが、情の濃い仲は二国間関係の理想である。日米関係を『対等のパートナー』と言い出したのはライシャワー大使でした。爾来、ロン=ヤスやジョージ=ジュニチロウの親密な間柄があり、両国政府の信頼関係が増した。

alliance of compassionという言い方はきっと過去にも使用例があったとおもうが日米同盟
をこのようにたとえた例はない、だろうとおもう。講演記録を読んで吸い付けられるように注目した部分です。パリ国際学院でおこなった格調あるスピーチ(2月9日のコラム最終段に感想あり)にくらべ散漫・冗長であるが、そのぶん率直でおもしろい。
長官は意外に親日なのですね。米の対アジア政策にしめる日本の高い位置が、時々愛国を確認したいわたしに心よく響きます。ブッシュの親日は戦後日本の復興ぶりと民主化、仇敵が最も親しい間柄になった簡略史観にもとづく理解だろう。戦闘機乗りだったパパブッシュに連なる感覚である。ライス長官の親日は少しちがう。スピーチで自身の横須賀滞在、3ヶ月自衛隊で講義したときの体験を語っている。そのときの体験や訪問頻度をが暗示するように、まだ大物でないころの体験によって培われた親しみ、いわば社会的・下町の親日家だ。

そういう人なら同盟を情からとらえることができる。コンパッッションとは互いにシンパシー共有する熱烈な結びつき、辛苦を共にする絆である。かような想いを米国務長官が日本に抱いているからには、安心してよい。国務省の日本びいきがたちが去って風当たりが強くなると懸念する必要なし。ゼーリック副長官が厳しい注文つけようが、鷹揚にかまえてりゃいい。

さて、ライス国務長官がアジア6カ国を颯爽と走り抜けて、エレガントにワシントンに戻った。中国の西3カ国アフガニスタン、パキスタンとインドを訪問したあと、中国の東へまわって東京とソウルへ、外堀をうめた格好で最後の詰めに中国へ。タフな歴訪でライスさんが『コンパッションの同盟』を口にしたのは日本だけである。韓国や中国がいくら日本にイチャモンつけようといまの米には聞き流されるだけだ。だから日本は中国、韓国から売られたケンカに知らんぷりできるのかな。

講演ではまた、世界全体の開発途上国支援の40%を日米2国で出資しているそうです。ホホウそんなにありましたか。そういえば国連だって多額納付トップが米、2番めが大差なくて日本だ。常任でもないのに20年ほども拠出2番の地位を黙々と維持しているバカ正直ですてきな国。おかげで国連は破産せず機能している。それを喧伝すりゃ反撥くらうが、常任国でない現状がイビツなのだ。大株主には見合った権利がある。(了)
   



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