安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ムンク泥棒、一味をスピード検挙
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〈 Tue, 08 Mar 2005 〉


●無造作に名画が飾られた地方のホテル
ノルウェーの地方に行くと代々続く古いホテルが多い。日本でも地方の老舗旅館にゆくと、骨董美術品や有名画家が滞在費代わりに描いた屏風絵やスケッチを所有していたりするように、当地でも老舗ホテルのロビーやレストランに重要文化財なみの絵画が壁一面に無造作にかかっている。暖炉の部屋や、ジカに照明が当てられていたりして、いいのかなとおもうことしばしばあります。だいたい200年ぐらい前、土地の有力者が旅の商人に宿を提供したのがはじまりでホテル業としては現在3〜4代目がハンで押したように経営を継いでいる。

そういうホテルのひとつ、オスロフィヨルドの真ん中あたり東側の小さな町、モスのレフネス・グーズホテルの食堂から日曜日夜11時、ムンク作品が3点盗まれた。庭がわのドアをバールでこじあけ侵入。額を引きちぎっているところへ偶然食堂にはいってきた従業員と鉢合わせ、素顔の若い二人の男は絵を抱えてびっくりして逃走した。

アラームはオンになっていず、玄関を閉める夜遅くにセットすることになっているそうですが、ホテルなんてみなそうです。ここだけが不用心ではない。昨年夏に代表作[叫び]と[マドンナ]が白昼堂々覆面ピストル二人組に強奪され。たムンク美術館はその後盗難防止のシステムを導入したがだいじょうぶだろうか。あの事件は未解決のままだ。

       

盗まれたのはムンク作品のなかでも珍しい水彩画「青い服」とリトグラフ2点「自画像」と劇作家[アウギュスト・ストリンドベり]の肖像である。価値は[青い服]1915年作が1600万円、版画は質によるが各30万から80万円ぐらい。ムンクのリトグラフはムンク美術館だけで1700点があり、世界中にいくら出回っているか不明なうえ、番号のないものもあって意外に安い。

●ドロボウ逮捕される
翌、月曜日夕方泥棒グループが派手なカーチェイスの末、9人逮捕された。一味は19歳から20代の外国人と報道されている。オスロの住宅地で慌てて絵を運び込んでいる若い男たちを隣人が目撃して警察に通報、御用となったしだい。さて、絵は戻ったが、犯人たちはプロではない。マイナーの外国人犯罪グループらしい。作品はかなり手荒く扱われたようで、警察は破損について口をつぐんでいる。

あのホテルには美術コレクションが400点もあり、もっと価値のあるムンクの作品もあった。当地の人間なら垂涎の画家が勢揃いしているのです。アンディーウォーホールもあるぞ。このモス市街が橋続きでひろがるイェロイ島にムンクが住んでいたことがあり、その関係で特にムンクが集められていた。(了)


追記:レフスネスホテル、レストランや美術品(Kunst)はここから
http://www.refsnesgods.no/asp/bildegalleri.asp?Tema=hotell

   



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